無意識日記々

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FATSS(フルオークションチケットセリングシステム)

多分今どこもこういう話題がHOTでないだろうから呑気に書いてみるが、コンサートチケットのフル・オークション販売はなかなか実現しないのではないだろうか。

私はずっと、「自分たちで供給を絞ってプラチナチケット化を促進しておきながらダフ屋に文句を言うのはおかしい。」と言ってきた。供給を絞る事もダフ屋に文句を言う事も別におかしくはないと思うが、両方というのはダブルスタンダード、或いは二枚舌だろう、と。最初から適正価格と適正供給量で売り出していればダフ屋は仕事を失う。文句を言う必要もない。

しかしそれは理想論で、予め需要量がわかっていればこんなにラクな事はない。わからないからメーカーは常に苦労しているのだ。

コンサートチケットの場合解決策は単純で、冒頭に述べたように総ての座席についてオークションを行えばよい。人気の高い席は高値がつくだろうし、そうでもない席はそうでもない値段がつくだろう。一定の期間を設ければ、売り切れるような人気公演は不人気席でも高騰するだろうが。

これでダフ屋はほぼ居なくなる。文句を言う必要も、なくなるだろう。これが実現しないのはシステムが煩雑になりすぎてコストがかかる上にトラブルへの対処が困難で早い話が現行では割に合わない、といったところなのだろうか。一旦整備されてしまえば、それがスタンダードになる気もするのだが。

その昔Utada United 2006では「総ての座席が同じ値段なのはおかしい」として数種類のチケットを売り出した。これは一歩前進だったが、これだけでもかなりシステム的に苦労した事だろう。その方向性を突き詰めるのがフル・オークションだが、やはり道のりは険しいか。

もうひとつの解決策は、実にあっさりしていて、ダフ屋に文句を言わない事だ。確かに法的には怪しいし、自治体によっては明確に犯罪なのかもしれないが、別に誰も困っていない。確かに、通常の商行為ではない為トラブルになった時は問題だが、大人のファンからすれば欲しいチケットが金さえ出せば手に入るという事で便利は便利だ。一体なぜ文句を言う事になったのか、その理由は先に整理しておいた方がいいのではないか。

果たして宇多田ヒカルが復帰した時、どれだけチケットがプレミアムになるかはわからない。話題づくりの為に敢えて条件を絞ってプレミア感を演出するのも戦略としてはアリだろう。その後に転売行為に文句を言わなければそれで済むのだが、ファンの方から「法外な値段でしか手に入らない」と苦情が来るのだろうなぁ。今の御時世、消費者からのクレームには対処しなければならないので身分証明などの方法を設けているが、それも機能しているとは言い難い。運営側としては悩みの多いところだろう。

いちファンとしては「プレミア感演出やめたらー?」以外言う事がない。需要にみあったキャパと公演回数を用意するだけだ。勿論最初は読めないだろうが、何度もツアーするうちに大体の規模はみえてくるんじゃないか。こっちとしてもフルオークションなんていう煩わしい購入方法は面倒なので、ふらっと買ってふらっと入れるようなのが理想なんだが。それでもやっぱり、例えば最前列で観たいっていうファンは多いだろうから、フルオークションの需要はあるのだろうなぁ。結局のところどうすればいいのやら、私もまだまだわからない。