無意識日記々

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宇多田展で思わぬ収穫(ベタなタイトル

昨日は渋谷タワーレコード8階にて1日限りで開催された宇多田ヒカル展に行ってきた。かの妖怪ウェディングドレスにリアルギガント、キプトラ鎖帷子にウタユナレッドレス、更にはWL師匠にトラベのフィギュア、クリエイターズ・ギャラリーの各作品まで小さい会場(学校の教室二つ分くらいか)に濃密なラインナップが洗練されたライトアップで展示されていた。スペース奥には椅子席が設置され、プロジェクションで最新のBWEVAPVも含む各種映像が堪能できた。人数も盛況といえるもので、まだまだHikaruも人気あるんだなぁと実感。ハイレゾ試聴機もヘッドフォンを着ける人が途切れる事はなかった。結構唐突な企画だと思ったが、この感じだと成功といえる手応えではなかったか。


しかし、個人的な収穫は別にあった。会場で所在無げに佇んでいた沖田英宣ディレクターを無理矢理ひっつかまえて個人的にお話を聞く事が出来たのだ。私が。天下の宇多田ヒカルを17年間支えてきた音楽制作ディレクターに独占インタビュー出来るなんてこんな日記を書いているような人間にとってはまさに夢のような話で、短い時間ではあったがこの機を逃してなるものかと矢継ぎ早に質問を浴びせかけてしまった。なのに嫌な顔一つせずに結構際どい質問や皮肉っぽい指摘まで笑顔で爽やかに、時に真摯に受け答えしてくださった。なんていい人なのだろう。一気に今まで以上にファンになってしまった。単純なヤツですいません。

結局、話の途中で梶さんから「沖田さん!宇野さんが連絡下さいって!」と一声入ってインタビューは終わったのだが、梶さんには感謝している。あのまま誰も止めてくれなかったらそのあと1時間でも話し込んでいただろうから(笑)。

で。そんな中断の仕方だったものだから、ブロガーとしていちばん肝心な事を訊くのを忘れてしまった。「今日お訊ねした事をネットで書いていいですか?」という点だ。完全に私の失態なのだが、あそこまで親切に且つ真剣に答えてくだすった内容を無許可で公開するのは余りにも失礼。かといってそれを活かしていかないというのもファンの一人として勿体無いという気持ちもある。

という板挟みの中で今後の方針を決めた。今後の日記執筆の中で、出処不明の「スタッフからの発言と思しき引用っぽいもの」があったなら、今回僕が沖田さんから訊いたのがソースなんだなと察しておいて欲しい。こちらはしれっとまるで「いつかの配信番組で喋ってたの、皆さん当然覚えてますよね〜」みたいな態度で書いていくので。つまり、今回のインタビュー(いやホントに音楽ライターさんが訊くような事ばかり訊いてきてしまった。「奥さんとは仲良くやってますか?」とかも訊けばよかったw)をまとめて記事にする事はせず、今後の日記の端々にそれとなくなるべくわかりにくい形で(笑)ちりばめて書いていくつもりです、という宣言であります。

なお、今回お伺いしたお話は徹底して「音楽制作ディレクター:沖田英宣氏」に対するものばかりで、宇多田ヒカル自身に関する質問、たとえば「スタジオでのHikkiはどんな感じ?」とか「最近のHikkiは?」とかそういう質問はしていないので悪しからず。15周年企画の発案者にその制作内容について伺うのが主眼だったもので。

それにしても、本当に魅力的な人だった。こういうタイミングで、お話を聞かせてくれた方の"評価"を述べるのは大変失礼な行為である事は重々承知しているけれども、そういった事は読者も知りたい事だろうし、私も伝えておきたい事なので敢えて書きます。

この人がディレクターだった事は宇多田ヒカルにとって非常に幸運な事だったなと改めて実感した。発言の端々に、常に「アーティストの人たちがその創造性を最大限発揮できるよう環境を整えるのが僕らの仕事」であるという自負が滲み出ていた。アーティストの感性を最大限尊重する事が出来、一方でその環境作りについて理路整然と簡潔に語る事が出来る。こういう人が、エキセントリックでアーティスティックなミュージシャンたちと、実利的なレコード会社の間を取り持つ梯として機能してくれる事は双方にとって途轍も無く大きい。配信番組等で窺えたように、A&Rである梶さんともプロデューサーの三宅さんとのコンビネーションとバランスも非常にうまくいっている。宇多田ヒカルが商業的な成功と作品的な成就の両方をPop Artistとして積み重ねてこられたのも、このチームに依る処が、ファンの想像以上に沢山あったのだという事を痛感させられた、短いが非常に濃密な面談だった。もし彼らがUtadaも手掛けていたらどうなっていたか…というのを過去の仮
定にして想像を巡らせる必要は、最早無い。今やUtada Hikaruという"1人の"アーティストを支える布陣がここに出来上がっているのだから。今後のUtada Hikaruの、いやTeam Utada Hikaruの活動がこれまでにも増して益々楽しみになる、そんな邂逅でしたとさ。メチャ楽しかった!(^∇^)