無意識日記々

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ポールとロジャーとアイとキミコと

ヒカルは一時代を築き上げて生き切って"アーティスト活動無期限休止"期間に入って現在継続中な訳だが、果たして戻ってくる場所はあるか?戻ってくる気になれるか?というテーマでずっと書いている。余計なお世話だろうかとは思うが、「充分稼いだ。知名度もある。社会的貢献もした。」と来れば普通は「じゃあこれからの人生は自分の好きに生きよう。」となるものだろうに、UMGと新たに契約しておいたというのはどういう事なんだろうかとずっと引っかかっているのだ。

今年も来日したが、ポール・マッカートニーは何故70歳を迎えても新譜を作りツアーをするのだろうか。20世紀最大の巨人なのだから、それこそジミー・ペイジのように過去の遺産を整理しながら生きていってもよさそうなものなのに。あそこまでいくと、もうただ単に「それがポールの人生だから」としか言えない。ずっとそうしてきていて、今それが出来るからやっている。惰性でやるには必要な情熱や体力が尋常ではない気がするのだが、それを上回るだけの"勢い"が、彼にはあるのだろう。結局は、「好きでやっているだけ」だわな。

生き方にも色々ある。現在開催中のテニス全仏オープン、王者ロジャー・フェデラーは今大会の出場によって62大会連続四大大会出場の男女通じて歴代1位タイの記録に並ぶ。15年以上大きな故障もせず更にTop100以下に実力を落とす事もなくやってきたという化け物記録だが、今までの第1位が日本の杉山愛だったというのはどれだけの人が知っていただろうか。この記録を知っていた(ギネス登録の話もね)私ですらすっかり忘れていたのだからそんなに大きく取り上げられた記録ではなかったかもしれない。一方、13年休んでいた伊達公子の復帰は結構大々的に取り上げられた。

15年間休まず続けた元世界複1位と、13年のブランクを間に挟んで通算15年以上のキャリアを積んでいる元世界単4位。Hikaruはどちらかといえば伊達のタイプだろうか。前にも触れたが、結婚して精神的に安定し、復帰した後の方が遥かにテニスに対する情熱が強いようにみえる伊達のように、ヒカルも復帰後の方が更に精力的に活動できたりするかもしれない。続ける事自体がモチベーションになったり、休む事で情熱が深まったり、まちまちである。

だから、伊達公子が国内の下部大会から順々にステップアップしていったように、Hikaruがかなり小さい規模から復活をする、なんていうシナリオもありかもしれない。周囲がそれを許すかどうかは微妙なところだが。あとは、UMGと結んだ契約の規模内容次第だろう。それが枷となるか助けとなるか、それにしてももう5年経つ訳で、えらく気の長い話だなこれ。