無意識日記々

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「どうぞどうぞ」

ヒカルの場合、“ぼくはくま”が最高傑作ではないかとほくそ笑み、新しいファン層(幼少層)を開拓した事に胸を張っても、ではそのまま童謡作曲家になるかといえばならなかったというのが歴史的事実だ。

普通は「これだ」と思うものに辿り着いたらその道を選んで突き進む。ヒカルはそうはしなかった。つまり、やはり自分は童謡作曲家ではないと。

確かに、これ以降童謡を書くとしても、くまちゃんをテーマにしてしまった以上、他に何を書くのかという疑問が湧く。寧ろここからくまちゃん童謡シリーズを延々続けた方が説得力はあった。「ワシもくま」「俺もくま」「では私も」「どうぞどうぞ」みたいにくまちゃんをテーマに第二第三の童謡を展開していく。これは有り得たかもしれない。

そうはならなかった。それは、周りがそうさせなかった面もある。テレビドラマの挿入歌やアニメ映画の主題歌など、次から次へと仕事が舞い込んでくれば致し方ない。逆に、そういうオファーがなかったならヒカルはそうしてたかというと、そうでもないだろうな。

今からでも遅くはない、と言ってもいい、かな。10年に1曲ペースでくまちゃんソングを作れば、ターゲット(?)である幼少層はもう完全に入れ替わっているので、また新たな気持ちで取り組む事も出来るだろう。

一方で、それならずっと「みんなのうた」でぼくはくまを流し続けてくれるだけでもいいかなぁとも思ったりする。あそこで何回も再放送され続けたらやがてスタンダード・ナンバーになる。それはそれで、望ましい。

世間体でいえば(?)、シングルヒットの無い段階でくまシリーズに着手するとそれはどうなんだとなるかもしれない。ならないか。ぼくはくまの実績があるんだから。

寧ろ、あれから9年経つのだから、来年のぼくはくま10周年に合わせて、ぼくはくまを聴いて育った世代に向けた歌を歌うのもいいかもしれない。と言っても、きっとくまちゃんは歳をとっていないだろうから、その歌にくまちゃんの出番はないかもしれないけれど。

ヒカルもきっと、50歳を過ぎても、ぼろぼろになった(いや、メンテナンスはするかな)くまちゃんを愛して過ごすだろうから、歌をどうするかはちょっとばかり考えてみてもいいかもしれない。まずはダヌパに覚えてもらう所から、かな? まだ早いかー。