無意識日記々

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DL玄人もDL素人も苦労しろと?

宇多田ヒカルのうた」アルバムの配信販売形態は興味深かった。全曲単品販売はせず、半分の曲を単品購入可能、半分の曲をアルバム購入者のみ入手可にしたのである。梶さんのアイデアだったのだろうか。考えたものだ。

どういう基準で半分ともう半分に振り分けたかはわからない。考えてもわからなそう(&今回に限り妄想が外れているとやけに気まずい)なので考えない事にするが、ヒカルのオリジナル・アルバムの場合はどうしてくるかな? 宇多うたアルバムの具体的な選別は参考にせず、ただ「アルバムの配信販売で楽曲毎に単品購入の可不可が設定できる」という前提で考察してみよう。

というのもね。私の場合、特にプログレに多いのだが、取り敢えず聴いてみたい曲が「アルバムのみ」(即ち、単品購入不可)であるケースが非常に多い。これは理由が明白で、聴きたい曲の長さが長いのだ。13分とか18分とか。確かにそれだけのボリュームだと他の4〜5分の曲と同じ値段で売るのもどうかなというのはわかる。うん。

もっともそれはiTunesStoreでの話で、これが他の配信サイトだと単品購入可になっていたりするから面白い。24分の曲が100円で買えたりした。お得過ぎるだろそれ。(場所はAmazon MP3、曲はムーン・サファリの"Lovers' End Part 3"です)

まぁそれはいいや。ヒカルのアルバムの場合、曲が長くて単品購入不可になるケースはあまり考えなくてよいだろう。極一部のリミックスを除き何れの曲もランニング・タイムは7分以下だ。

しかし、それでもヒカルのアルバムで単購入品不可曲が必要があるかというと、どうだろうか。シングル曲だけ聴ければいい、という人は確かにその曲だけを買って聴こうとするだろうが、シングル曲はちゃんと別にシングル盤の配信として購入できるケースが多いからアルバム関係ない。

ちょっとここでややこしい例があり。宇多うたアルバムの浜崎あゆみの"Movin' on without you"は、宇多うたアルバムからのシングルカット曲として"1曲入りEP"として購入可能だった一方、アルバム上では単品購入不可だった。何でそんな風にしたかはわからない。仮説としては、この曲だけ単品としての需要が高いだろうからEPにしてプッシュしようと。そこまではわかる。ならそこでアルバム版で単品で買えないとなると、例えばiTunes Storeではアルバム購入時にあゆの分がディスカウントされず、EP盤配信を購入した人は必ずあゆのむびのんをダブって購入する事になる。損得もあるが、それ以前に兎に角ややこしい。説明してて「通じてないだろうなぁ」という諦めの色が深いもん、私。

そんなこんなで。ヒカルの場合は多分必要ないというか、やると無駄に不評になるからやらない方がいい気がする。損得の前に、ひたすらややこしい。これだけで大きなマイナスである。実際、宇多うたアルバムはダウンロード販売を予約していたのに、当日になってもダウンロードが始まらず(iTunes Storeでは予約購入コンテンツの自動ダウンロードを任意で設定できる)、梶さんに苦情が行くという展開だった。私も当初ダウンロード出来なかった1人だ。ちゃんとCDも買ったぞ。単価がどうの音質がどうのという前に、“買って聴けない”のは最悪である。何の為の(品切れのない)ダウンロード購入かわからない。

つまり、トラブルを最小限に抑える為にも、ダウンロード販売はシンプルを至上命題とすべきだ。「わかりにくい。バカにしてんのか。」―反感を買う最大の理由・感情のひとつである。ややこしい事はせず、普通に買えるようにしておくのがいちばんの最善策なのではないかなと思いますよ私は。はい。