無意識日記々

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背信の配信は購買の勾配

Hikaruが「みせかた」についてどこまで関わっているかはわからない。「HEART STATION」アルバムでは"曲順会議"に参加していない風にも取れる発言をしていた。仮にそうだとすると、“アルバム”という形態に対して、プロデューサーとしてそこまでこだわっていないという事になる。

アルバムをひとつの作品としてみるならば、曲順は極めて重要だ。ヒカルだって、自分の作った曲のミックスを誰か他の人に頼んだ時にAメロとサビの位置が入れ替わっていたら激怒するだろう。アルバムも楽曲同様ひとつの作品だというのなら曲順の変化は作品の変化であって到底容易に変えられるものではない。そう考えると「HEART STATION」は、各楽曲はヒカルの作品だがアルバム全体としては三宅Pや照實さんの作品という事になる。それでいいのかヒカルさん。

アルバムというものに対する意識が全く違うのかもしれない。つまりただ曲を集めたものであると。主役は曲であってアルバムではないと。もしそう言うのであれば過去に「Utada The Best」を発売した時にした発言と整合性がとれない。アルバムを作品としてみないならば、個々の楽曲に関してはただの再発であり、レコード会社として責められるようなものだったか。特にEXODUS発売からは6年経過した時点の話だったので再発にも一定の価値があった。恐らく実際の"被害"でいちばん大きかったのは、先日述べた通り「勘違いしてSCv2を買わなかった」層が居た事なんじゃないかと言いたくなってくるがこればっかりは数字を出せないので何ともいえない。

こんな話をするのは"牽制"でもある。配信で「宇多田ヒカルのうた」アルバムの各楽曲を購入したいと思っても半分の楽曲が「アルバムのみ」となっていた。浜崎あゆみの曲は複雑で、シングル曲としては購入できるけど、という具合。なかなか考えたな〜と思った次第だ。アルバムを一枚通して聴いて貰う為の駆け引きである。

ここにヒカルが絡んできた時にどうするだろうかというのが興味である。新譜を発売した時、あっさり全曲個別購入出来るようにするか否か。iTunes Storeだと“コンプリート・アルバム”方式なので個別に買い続けてもアルバム価格以上を支払う必要は無い。ただ、先行シングルの扱いに対しては二種類ある。ミニアルバム扱いにして別ジャケット&別ページを用意して、即ちアルバム購入時には同じ曲を二重に所有する事になる(これはアナログ時代やCD時代と同じ)か、或いはアルバムの中の曲を限定して先行ダウンロードできるようにするか、である。

「アルバム制作」が楽曲発表に先んじてキーワードとして浮上している今の状況だからこそ浮かぶ疑問である。果たして、カラオケ・バージョンにどれだけ価値があるか。どうせなら別マスタリングなら二重購入する甲斐もあるけど、アルバムが完成した上でそこから配信EPを出すというのは…自分が購入者だったら嬉しい?

あー私はEPのジャケット・アイコン欲しいので躊躇わずに買いますけどね。カラオケは勿論欲しいし。個人的には悩まない。というか出されたら全部買うっちゅうねん。

まぁ、皆さんも、配信を利用する場合は色々と考えておいてくださいなっと。