無意識日記々

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二発屋

世の中には大変な数の「一発屋」が居る。お笑い芸人の場合ひとつだけギャグが流行語大賞並みに流行ると言われる。同じようにミュージシャンも1つだけ大ヒット曲があって後は鳴かず飛ばず、という場合に用いられる。

すぐに思いつくのは大事マンブラザーズバンドとか三木道三とか…ってなんか歳だなー。いやこれ、殆どのミュージシャンがその「一発」にも恵まれずに生きていく事を考えると大変な勲章なのだがまぁ大体侮蔑まではいかないまでも軽視の対象にはなるよね。やれやれだが。

でこれをじゃあ防ぐにはどうしたらいいか。一発めで終わらせない。二発目の大ヒットを放てばよい。勿論それが出来たら苦労しないんだが、このシンプルさが大事である。

ミュージシャンがその「名前」で認知されるには、複数のヒット曲を持つ事が必要だ。何故なら、一曲だけだとミュージシャン名を覚えるのも曲名を覚えるのも実質的に変わらないからだ。Xが"紅"のヒットだけだったら、未だに「ねぇ、それ紅とXのどっちがバンド名?」と聞かれているかもわからない。他にも曲がヒットしたからXの方がバンド名として認知された。

…またまた出してくる例が古いなぁ。ではもっと古いのを。そして、その大ヒット曲が"立て続けに"出ると事態は決定的になる。そのミュージシャンの時代が来るのだ。古くは、The Beatlesが"She Loves You"と"I Wanna Hold Your Hand"を続けざまにヒットさせた時やBon Joviが"You Give Love A Bad Name"と"Livin' On A Prayer"を立て続けにチャートに送り込んだ時など。彼らはそれで瞬クマに時代の寵児となったのだ。


ヒカルのデビュー時はどうだったかと考えるのはややこしいので飛ばして、次の復帰時である。もし仮に大ヒット曲を一曲だけ出せたら「あぁ、やっぱり宇多田は凄いんだなぁ」と感心されるだろうが、たぶんそれきりだ。これが立て続けに大ヒット曲二曲となると「おや、また宇多田のターンか?」という空気になってくる。その違いは大きい。

無論、大ヒット曲なんて狙って生めるものではない。それを二曲、その上連続ともなると宝くじを当てるようなものだ。だからそれを狙え、と言う気はない。

ただ、もし仮にそういう"狙い"がレコードレーベル側にあるとすれば、その場合復帰時に既に過密日程でシングルを立て続けにリリースする計画を立てている筈だ。つまり、何が言いたいかというと、復帰後のシングルのリリース間隔で、ヒカルの活動ペースが見えてくる、という話。幾ら計画を立てたってそうそう連続ヒットは生まれはしないが、少なくとも、短い間隔で新曲を発表する機会を自ら作らないとその僅かな可能性すらゼロになってしまう。いつになるかはわからないが、復帰時はまずヒカルのリリース間隔に注目してみるのは如何かな。