サイゾープレミアム?プレミアムサイゾー?どっちなんだ、兎に角ヒカルの噂話が掲載されていたので読んでみた。SONY/EPICとは契約金が「3年10億」なんだそうな。ほんまかいな。妄想度ではウチも負けていないので五十歩百歩なんだが、ちょっと考えてみよう。
まず「3年」というのが怪しい。スポーツじゃないんだから。普通は「3枚」である。契約はアルバムの枚数で結ぶのが通常だ。だから昔から「契約消化」と称してベストアルバムやライブアルバムがリリースされる。邦楽の場合は更にここに「1年1枚」の縛りをつけて漸く「3年3枚」になるから「3年10億」という言い方ができるのだ。
契約が無期か有期かは大きい。ヒカルの場合は昔から「毎年アルバムをリリースする」というタイプではないだけに、基本無期契約だと考えられてきた。てかおいらがそう考えてた。もし仮にここから「3年3枚契約」を結んでいるとすると、3年間ツアーは無理である。勿論昔から松任谷由実や中島みゆきや山下達郎のようにアルバムをプロデュースしてコンサートツアーまでやる、という人も居るには居るが、ヒカルの今までのクォリティーコントロールとして、12曲用意するには12ヶ月では足りない。そして、ここまで引っ張ってきてまだ更にコンサートツアーを東京五輪より後に回す? いやぁ、随分待たせるな。あまりありそうな話でもない。
よって、この噂話はそもそも「3枚10億」の聞き間違いである可能性が高い。
さて、では契約金が「3枚10億」だとしたらどうか。これも怪しい。というのは、Utada HikaruがIslandと契約を結んだ時は「契約金はいいから制作費を寄越せ」と主張した筈だからだ。流石車を売り飛ばしてスタジオ代にあてたU3MUSIC、ブレないな、という事になるとこの10億というのは契約金ではない可能性が高い。
では何の数字なのか、という事だが、まず上記のように制作費が1枚あたり3.3億配分される契約が考えられる。ヒカルクラスになれば有り得ない額ではないが、今時はちょっと高すぎる気もする。まぁIslandとの契約時には照實さんの言い方もあって「5億クラスの制作費」という解釈が出回ったが。基本4人で作業しててそんなに使うとこあったのかなぁ。
寧ろリアリティがあるのは、それこそ原盤権である。こればっかりはこちらも状況のわからなさではサイゾーと変わらない。ただ、Utadaの2枚のアルバムの原盤権の買取額が含まれているなら、この10億という数字に関しては有り得ない事もないなという気がしてくる。
宇多田ヒカル名義の原盤権に関しては、正直わからない。何しろ、今までもこれからもレコード会社の窓口がMOKのお三方(三宅さん沖田さん梶さん)なので、リリースに関して揉めた事も揉める事もないからだ。十分な話し合いを経て過去のマテリアルを利用するだろうから、外からみて原盤権がどちらにあるかわからないのである。
結局、サイゾーの記事は、「完全に間違ってる訳でも、完全に正しい訳でもない」といういつものタブロイド・クォリティーだという事になる。全くもって紛らわしい。読者の皆さんも全部鵜呑みにしないで、話半分で読んでおいてくださいなっと。