無意識日記々

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「知らない私」にまたサヨナラを

いつも新曲発表の度に、いろんな人の期待を裏切ってきたんだろうなぁ、と回顧する。ヒカルがリスナーの期待を裏切らなかった曲といえば『Flavor Of Life』と『Prisomer Of Love』、あとは『Goodbye Happiness』とかかな。何が言いたいかといえば、新曲を出すと期待外れとやや距離を置く人と「今度の宇多田いいじゃん」と新たに食いつく人の両方が居て、それは他のアーティストの皆さんにもある事だけれど、ヒカルの場合は殊に甚だしい。総入れ替えの勢いなんじゃないかと。いやそれは言い過ぎだけど。

つまり、いつも「次は自分かもしれない」という不安と「今まで散々新曲を楽しめてきたんだから次も大丈夫」という自信の両方をもって私はヒカルの新曲を迎えている、という話。自分で言うのもバカバカしくアホらしいが、かなり音楽的趣味が広くないと出す歌のどれも好き、とはならない。流石に『Kuma Power Hour』の選曲の幅広さ、無節操さ(笑)にまではいかなくてもいいけれど、それなりに「理解できないジャンルはない」状態にしておかないと厳しい。

例えば英語の歌には興味ない、というだけでもうUtadaの活動期はアウトだろう。R&B/ソウルっぽいボーカルが好き、という人は『Passion』をどう受け止めたか。ダンサブルな『traveling』がいいねと言っていた人は『桜流しを聴いてくれただろうか。『DISTANCE』の爽やかな
ポップ・センスが気に入っていた人は荘重な『FINAL DISTANCE』に思うところはなかったのか。言い出したらキリがない。特にヒカルは落差が激しすぎる。

今夜聴ける新曲は一体どっちになるのやら。クォリティーは間違いなく高い。というか、そけに行けなかった場合ヒカルは締切を"落とす"んじゃないかな。落としたくないから死ぬ気で頑張る。兎に角頑張る。いつも『Apple And Cinnamon』みたいにあっという間に出来上がる訳じゃない。『For You』みたいに寝かせた曲もある。『テイク5』のように雌伏を経た曲もある。そういえば『Celebrate』に押し出された例の『しみったれたバラード』は今どうなっているのだろう。既に聴いたのかな。だとしたらどれだろう。あの仮タイトルの曲は…キリがない。今回のヒカルは締切を落としていない。従ってクォリティーも落としていない。ならば締切こそクォリティー。謎の三段論法だな。取り敢えず、信頼できる。

能書きはいい。歌って聴かせろ。それだけだ。黙って耳を、傾けよう。