無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

7年前、日記に縦読み仕込んだな…

The Rain will fall like tears from the stars
The Rain will say how Fragile we are

- sting "Fragile"


しかし渋谷陽一の『真夏の通り雨』推しは圧巻だった。手紙までしたためるとは余程である。気に入ってくれたんだねぇ。作者からすりゃ出来上がった作品は総て等しく過去なのでどんなタイミングだろうと何回目だろうと誉められればひたすら嬉しい。ヒカルもきっと御満悦だった筈だ。

ただ、言葉の綾と勇み足だろうが、この曲のメロディーが"新しい"というのは少々違う。一部はほぼ『Letters』と同じ(『木々が芽吹く』と『花に名前を』とかね)だし、どちらかといえば「いつものヒカルの筆運び」であって、寧ろ歌詞を重視する余りメロディーが二の次になったという方が実状にはそぐうだろう。まぁ、この圧倒的な歌詞の迫力の前ではメロディーも従わざるを得ない、というのが感覚的なところだ。

そんな強力な楽曲から切り込んでいく判断力は流石だが、後が続かない。ファンが自分の好きなアーティストに自分の好きな曲をアピールしただけで終わっている。裏を返せば、こんなに壮年の男性(スティングと同い年だってさ)をまるで10代のロック少年のようにはしゃがせるヒカルのスケールが大きいという事だ。彼が盛り上がれば盛り上がるほど、終始落ち着いて冷静なヒカルが浮かび上がる。今ヒカルがこんな人だからこそ、いい写真が一杯撮れるのだろう。いい相に入っている。