無意識日記々

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人力ボカロから干支一回りしたのねぇ

現況、生成AIで稼ごうというのは性急に過ぎるとは思う。というか、もし冷静に議論されたら不味い事がわかっているから性急に話を進めているのだろうな(と推測する)。

どうにも、YouTubeの歴史が頭を過る。最初あそこは無法地帯から始まって著作権無視が基本だったのだが、結局普及度で押し切った。現在YouTube Musicやらpremiumやらで有料サービスを展開してるがこちらとしては「盗っ人猛々しい」というのが本音だったりする。

でもまぁ、人類の歴史からすれば盗賊団や殺人集団の規模が大きくなり過ぎて国家が成立していき結局は人類福祉の向上に努めるようになっていったんだから、こういうものだと諦めておくのもひとつの手だわね。科学技術の発展に軍事需要は必須だったとかの話もそう。今こうやって貴方方との対話を可能にしているインターネットという存在の成立もそうだしね。だからといって現状追認するのは私の性に合わないのだけれど、こうなってしまったからといって文句を言い続ける程の執着もないので、ぼーっと眺めておこうかなというのが落としどころだったりする。

実際、昔「もう新曲のマルチトラックをリリースしたらどうか?」とこの日記で提案したこともある。在野でヒカルのヴォーカルを抽出して勝手にリミックスを作ってYouTubeにUPしている人や、逆にバックトラックだけ抽出して歌ってみた動画を上げる人など、昔からそれはそれは沢山居るわけでね、宇多田ヒカルに限らずだけど。もうそれだったら開き直って素材から提供して堂々と著作権料をふんだくればいいんじゃないの?とそう考えたのだ。

ヒカルからすれば、自分が世に出した音楽が他の人の創作意欲に火を点けたと知れば基本大歓喜だと思うのでそれ自体は大歓迎だろうが、跡形もなく解体されたものを素材に使いましたと言われてもそれはあたしの名前を出さないでと言いたくなるだろう。人力ボカロなんてそのちょうど境界線を行く所業で、その労力を労いつつも『自分の顔を使ったコラ写真を見た時のような気持ち悪さが(笑)』と生理的嫌悪感を隠さなかった。

https://twitter.com/utadahikaru/status/29350771824787457

ここが本当に微妙な所で、まるのまんまパクッてるのに宇多田ヒカルの名をクレジットで出されないのも業腹だし(というか著作権使用料払えだし)、原形を留めてない素材に宇多田ヒカルのクレジットを添えられても「いやそれあたしと関係ないから」と言いたくもなる。くだんの人力ボカロや、現在の生成AIで軍歌とか歌わせたりして「宇多田ヒカルがこんな歌を歌ったのか」と誤解されたりしたらもうただ事では済まない。世が世なら音楽家生命のピンチになるだろう。洒落にならん。

結局は、その間のどこらへんかに「よりみんなでクリエイティブな、プロダクティブな社会を形成できる」バランスがあると信じて毎日その都度意識を向けひとつひとつ行動ていくしかない、という凡庸な結論に達する。GDPなどもひとつの指標だろうが、日本語圏では拝金主義の行き過ぎの方が問題っぽいのでそれもまた難しいね。

…今回は特に結論めいたものはないので(笑)、各自このテーマに関して色々と考えてみてね。