無意識日記々

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「明後日の方向」に妄想してみた

つまり、ソングカバーアルバム「宇多田ヒカルのうた」は、どちらかといえばソングライターとしてのヒカルにスポットの当たる作品になる、という事、なんだが…

…それでも、どうしても歌自体、歌唱自体の比較に話が及んでしまうのは避けられないだろう。そこをクリアーする為の一案として(今回はほぼ関係ないのだが)、「ボーカロイドに歌わせてみる」という方法論がある。

既にWebには幾つもヒカルの歌を歌わせている例があるし、ヒカルの声を素材にした人力ボカロなんていうとんでもないものまである。ヒカルがツイートしたので皆さんご存知だろう。

あれをプロがやったらどうなるか、というのに興味がある。ヒカルの歌唱の完コピを目指すもよし、全く違うアプローチをとるもよし。いや別に初音ミクの声質がどうのという事じゃない。そんなだったら藤田咲連れてきて歌わせた方が早い。歌唱に匿名性を持ち込む事によって楽曲自体が再注目されるのではないか、という意味である。


ボーカロイドは今回無いにしても、例えばヒカルのコーラスをサンプリングしてそれと"共演"するなんて手法もあるかもしれない。そこまでいくとまさにリミックスだが、果たしてどこまで崩してくるのやら。好き勝手にカバー、となると、シンガーソングライターとして指名されているとはいえ自身は全く歌わない、という手法も考えられる。

そこから踏み込んで、楽曲の中でのコラボレーションがあったらどうなるか、というのは考えるに値する。これまた今回は関係ないだろうが、シンガーソングライターしばりでなく、例えば中田ヤスタカを起用したとしたら彼は単独のプロジェクトとはせず(いや彼のソロプロジェクトあるけどね)、Perfumeやきゃりーさん(石原さんちゃう方)を連れてくるだろう。どうせならそこらへんまで食指を延ばして欲しかった。


妄想ついでである。もういっちょ踏み込もう。ここからの発展企画として「宇多田ヒカルのうた・倍返し編」というのも有り得る。うわこのフレーズ懐かしいな。

どういう内容かというと、今回ヒカルの楽曲をカバーしてくれたソングライターの皆さんのオリジナル楽曲を今度はヒカルがカバーするアルバムである。どうせなら両方いっぺんに発売した方がそれこそ話題性倍返しだったと思うが、これはこれで聴いてみたくなるだろう。カバーしてもらってアプルーブも出したとなれば、ヒカルもある程度参加者の力量を認めている筈である。自らが今度はカバーする番になったとしても違和感はないだろう。

この"やりとり"によって、2人のミュージシャンがお互いをどう思っているか、どう捉えているかが伝わってくるだろう。それこそ、相性が合えばそれ以降の共作の可能性も出てくる。特に若い参加者は要注意だ。ヒカルと曲が書けるとかもう御褒美どころの話じゃない。


それはそれとして。もし仮に、「宇多田ヒカルのうた」のラインナップが所謂シンガーソングライター系で固められていたとしたら、それは即ち、宇多田ヒカルというミュージシャンが、現在のシーンにおいて、"そっち系の人"であると宣言する事にも繋がる。いや当然、ヒカル自身がタッチしている訳ではないから実際の交流は生まれないのだけれど、ヒカルが中心に居て取り囲まれている事は間違いない。

こういう、ミュージシャンとしての"体質"を知ってもらう、或いは新たに定義する事は、今後のプロモーション展開・方法論にかなりの影響を及ぼすだろう。例えば、次にヒカルが新曲を出した場合、今回参加してくれた人のラジオ番組にプロモーションにやってくる、なんて事があるかもしれない。そういう意味では参加者の普段の活動とかも気にかけていく事になるだろう。そうなれば復帰が益々楽しみになるというものだ。布石、試金石としてなかなかに優秀なアルバムである。(まだ聴いてないのに断言してしまった)