無意識日記々

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「君が心をくれたから」第9話を観ながらあれやこれや


「君が心をくれたから」、今週放送の第9話では中盤にまず(21:22くらいだったか)『何色でもない花』のピアノスタイルバージョンがちらっと流れ、そしていつも通りの終盤ラスト前に本トラックの『何色でもない花』が、今回初めて、フルコーラスに近い尺まで流れた。2月12日に解禁・公開になって以来漸くといったタイミング。とはいえ、特に歌詞とドラマの内容が強くシンクロしていたということでもなかったようなので、「いよいよドラマも終盤なんだなぁ」と視聴者に思わせる演出になっていたと解釈するのが妥当なとこかな。


そもそも曲調がドラマ全体の演出や役者陣の演技の方向性とほどよく調和している為、毎週毎回場違いさなどは全く無く、このまま全11回のうちあと2回、滞りなく物語を彩ってくれればなと思います。


主題歌がドラマに馴染むかどうかという観点からするとサントラとの相性は非常に重要で、月9枠の話となるといつも「HERO」での『Can You Keep A Secret?』とサントラの音楽性の乖離について触れているけれど今回はそういう懸念は最後までなさそうで。ややサントラの方は演出過多というか、メロディは素朴なのに演奏が無理に盛り上げ過ぎという気もしなくもないが、御涙頂戴路線なのは脚本時点からなのだろうし、だからそれは作品に沿ったやり方なのであって、ややぶっきらぼうに『僕らもうここにいないけど』と歌ってしまうヒカルの方が少しその路線から外れているとも言えるし、そもそもあたしはそっちの方が好きなのでそれについては何の不満もない。


押し付けがましい演奏は、特に時が経った時にその意図が露骨に窺えてしまうのでどうにも馴染まないのだが、地上波テレビという瞬発力がモノを言う空間ではそちらの方が求められているのだろう。そういう意味では、最近ヒカルがあんまり生放送に出ないのも……いや勿論第一義は単純にロンドンから日本に来ている期間が限られているからなのだろうけれど、生出演が売りの「MUSIC STATION」や「CDTV LIVE LIVE」であっても堂々と収録出演しているのをみると、単純に取引の優位性でやっているというよりは、自身の資質に合った仕事の受け方をしているということでしかないのかもしれない。元々テレビ出演はそんなに好きじゃないのだし、こちらは動く御姿を拝見できるだけで土下座ものなのでそれ自体にもまた何の不満もない。時々、生出演の心配とスリルに満ちたあの感覚をまた味わいたいなと思わなくもないのだけれど、それだったらライブに当たってじかに観に行く方がよっぽどスリリングだからね。当たればだけど!


昔なら「全国何千万の視聴者に対して…」とかなんとかあたしも思っていたのだけど、こうやってスマートフォンのお陰でたくさんの人の感想が可視化された事で、なるほどこんな感じなのかとある程度の見立てもつくようになり、よくわからない怖さみたいなものも薄れたので、テレビ出演する暇あったらインスタライブしてくれよとかまた贅沢な事を言ってたりもするのだけれど、逆に感想がダイレクトに入ってくるようになって、嗚呼こういう層まで視野に入れて活動しなきゃならんのかと、他人事ながら余計な心配をしてみたりもする。あれやこれやですね。


こうやってドラマから主題歌が流れてくるのを眺めていても、地上波でのあり方というのは徐々に変化してきていて、こういう昔ながらの気分の延長線上で観られているのも今のうちかもしれないなと思うと、やっぱり「君が心をくれたから」のあと2回、じっくりと味わいながら観賞したいなとぼんやり思うのでありました。そういえば、ヒカルのカメオ出演、なかったねぇ!