無意識日記々

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地上波ジレンマ

週末は「鬼滅の刃」の話題性が凄かった。全く興味の無い人でも目に入ってしまい気にせざるを得なくなる状況。こうなってくるとかなり鬱陶しい。

あたしはまだその劇場版の「無限列車編」とやらは観ていないが、テレビシリーズと変わらぬクォリティということでそれなら何の心配も要らないかなと。二週連続総集編ゴールデンタイム枠放映という地上波放送の後押しもあってか金土日の3日間で40億円くらい稼いだのではないかと言われているようだ。何それ「君の名は」どころか「千と千尋の神隠し」まで凌駕するペースにならんか。

今や泣く子も魅入るジブリ映画だが最初から最強の興行という訳ではなかった。そもそも「風の谷のナウシカ」はジブリじゃないし、「天空の城ラピュタ」もそこまで圧倒的な数字を残した訳では無い。「となりのトトロ」&「火垂るの墓」が名作扱いされるのは後年になってからだ。

ジブリ映画が特別になったのは「魔女の宅急便」からである。この映画からバックアップに日本テレビ系列が加わったのだ。その効果は凄まじく、興行成績はそれまでの三倍に跳ね上がり一挙にジブリ映画が「夏の映画の定番」に躍り出る。毎回その季節になると過去のジブリ映画をテレビで放送してどんどんと需要を継続していった。その昔裏番組のドラマ(つまり収録作品)で「何度目だナウシカ」と弄られたくらいにその影響力は定番化したのだ。

新世紀エヴァンゲリオン」もまた同じく途中から日本テレビ系列の協力を仰ぎ始める。何しろもともと関東ローカルの放送局テレビ東京の夕方アニメだった作品だ。それがこうやって劇場版主体に移行した事で過去映画作品を日本テレビで放送する事が出来るようになった

ヒカルも曲によっては日本テレビと出版契約を結んでいたりするが、結局、このスケールになってくるとどう足掻いても地上波テレビの影響力を視野に入れなくてはならなくなってくる。最近では、『真夏の通り雨』を半年間平日毎日流してくれたり「NEWS ZERO」でトーク&パフォーマンスを披露してくれたり、またドラマ「美食探偵」の主題歌を担当したりと着実な関係を築いている。出演してる当人にとっては現場で会う人が総てだろうから日テレ云々というのは気にかけていないかもしれないが、視聴者の方は「テレビで観た」という認識だろう。まぁ、ズレがあるよね。

恐らく、1月にシンエヴァを控えて、ヒカルもまた地上波に露出が望まれるかもしれない。といっても、それまでにロンドンの状況が改善される期待は持てないからあるとしてもリモート出演になるのだろうか。どうせなら誕生日ストリーミングのスポンサーになってくれればいいんだけどねぇ。流石に無理かな。

「最近のテレビはつまらなくなった」は「最近の夏は暑くなった」と同程度に言われるようになっている。最早挨拶代わりだ。と言っても、こちらとしては「インターネットが便利になり過ぎた」というだけでそこまでテレビが没落したとも思っていない。視聴者数の差や比は文字通り桁外れのままだ。いくらヒカルがマスメディアに対してトラウマを抱えていてもあと10年20年は付き合い続けなくてはなるまい。逆に言えば、この感染症禍下で体よく出演を断れる現況は僥倖かもしれないね。ヒカルの姿を地上波で観たい向きにとってはジレンマはまだまだ続くかと思われますよっと。