無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

ホントにヤバいんだって渋谷文化村スタジオは!


てことで、昨日の日記でもちらっと記したけれど、まもなく閉じられる筈の渋谷文化村スタジオ(Bunkamura Studio)に行ってきた。展示会の開催を教えてくれたNanashiさんとHironには感謝しかない。


渋谷文化村スタジオというのは、宇多田ヒカルがずっとレコーディングとミックスを行ってきた場所である。総てではなく一部ではあるものの、かつて宇多田ヒカルが実際に歌った場所が、昨年4月10日から営業を休止していて、文化村全体の再開発を待つ状態になって一年が経過しているところに、サウンドアーティストevala氏がアート作品を9日間(2024年3月24日日曜日まで)展示中なのだ。要は跡地利用の展示会開催ってことだね。


文化村全体の再開発の完成は2028年を目処にしているということで、いつ渋谷bunkamuraスタジオが取り壊されるかはわからない。もしかしたらそのまま残るかもしれないし、一部増築改築などで終わるかもしれない。そこの詳しいことはわからないが、「一般人が中を見れる最後の機会になる可能性はある」ことだけは言っておく。


行くべきだ。確かに、evala氏のアートと共鳴しない人は、行ってもつまらないだろう。ただの薄暗い空間がそこにあるだけだ。特に何で遊べるわけでもないし、アミューズメント施設でも何でもない。しかし、このスタジオで収録されミックスダウンされた楽曲に思い入れがあり、「ここであの曲が生まれたんだ…」と想像力を働かせて感動するタイプの人であれば、必ず行くべきだ。


例えば、さっき慌てて出掛ける前に枕元に放り出してあった『Passion』のシングル盤の裏ジャケのクレジットを見てみたのだけれど、収録の一部とミックスダウンは、この渋谷bunkamuraスタジオで行われている。この曲が特別だと思う人、いらっしゃいますよね? 例えば「キングダムハーツ2」のエンディングで『Passion ~after the battle~』が流れてきて感動した皆さん、ここであの名曲が生まれたんですよ? 一目、見てみたい、いな、その中に入って何かを感じられるかもしれないとは思いませんか。


それで思い出したのだけど、そういえばその『Passion ~after the battle~』を歌って配信したネット動画企画『'05以上'06未満』の収録もここだったわね。すっかり忘れてたわ(毎度ながらテキトーだなーもー)。そうよね、ヒカルさんがしっかと地下一階の大地を踏み締めて、マイクに声を吹き込み続けたのがここなのよね。ゴロゴロと寝転がってたのがここなのよね。パジャマで徘徊して辿り着いて、今や巨匠になった小森雅仁氏に対して「小森くん酒買ってきて」ってパシらせてたのもここなのよね。宇多田ヒカルの歴史が詰まってるなぁ。


こんなところを読んでる貴方だったら、「私の人生を変えてくれた宇多田ヒカルの一曲」があったりするかもしれない。そんな人は今すぐにでもそのCDを手に取って、ちっちゃな字でクレジットに「Bunkamura Studio」の文字があるか無いかを確認して欲しい。「Recorded at」や「Mixed at」の行にある可能性が高い。そしてその歌を聴き返して、貴方自身がその歌とどんな関係だったかを思い返して、その生まれた場所を知りたいと思ったならば、どうか後悔だけはなさいませんように。本当に、これが最後かもしれないからね。


ビートルズファンはアビーロードスタジオのコントロールルームには入れないだろうけど(そんな時期もあるんだろうか?よく知らない)、宇多田ヒカルファンは渋谷Bunkamuraスタジオに入る期間を得たのだから、これは物凄い僥倖なのですよ、えぇ。あなたに「思い入れと想像力」があるのなら、ね。