無意識日記々

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It's Time To Turn Back My Palm!

いやぁ、いいMVですね!(テノヒラクルー)

新しく公開になった『Time』のMV、ヒカルが出ずっぱりで大変よろしい。ファンのニーズをよくわかっていらっしゃる。サイケなエフェクトの数々は趣味が別れる所だろうが、そういうのを全部押し切ってヒカルパイセンが美しカッコ可愛いのでオールOKだ。ずるい。

っとと、中身の話はもう昨夜の時点で皆がしてくれてるな。それは後からゆっくり振り返るとして。さっきヒカルからこんなツイートがあった。

『@utadahikaru : ロックダウン中のロンドンで自宅のリビングと作業部屋だけで撮った「Time」のMVやっと公開です!みんな(と言ってもスタッフは2.5人)で直前にテスト受けて。初日は男性スタッフも一人いたんだけど二日目は彼が来れなくなって、私を含む女性3人だけで撤収までがんばった』05:39:25

『@utadahikaru : Finally, the vid for “Time”! We shot it in my home, cleared out the furniture in my living room and used my work room as it is. A team of 4 on Day 1 and just 3 ladies including me on set on Day 2 (yes we had a drink after we wrapped and cleaned up)』05:57:47

日本時間だと早朝だがロンドンでは夜遅く、こどもを寝かしつけた後だろうかね。安堵の表情が窺える。動画のコメント欄なども目を通した後だろうか。英語ツイートの方は

「やっと『Time』のMV公開! 自分ちで撮ったんだけど、リビングの家具を片付けて、作業部屋も同じようにして。1日目は4人のチームで、2日目は私含めて女性陣3人で(撮影しました)。(はい、完パケして片付けた後は皆で飲みました!)」

という感じかな。この、最後の「皆で飲んだ」を英語でしか呟いてないところで読み手としては一息ついたですよ。折しも昨日大阪府から「5人以上の飲み会は控えるように」という要請が出たと報道があった所だ。時期も場所も違うし3人だし全く咎を受ける謂れはないのだけれど、日本ではタイミング的にはあんまり印象がよろしくないのかもしれない。英語でだけ呟いたのは得策だったと言えるだろう。ほっとした。

後から今の時期の日記を読み返したら「過剰反応だなぁ」とか思うのだろうかね。今のメディアはそういう空気を出しているのですよ。日本語のツイートでしっかり検査しましたとアピールするのはメディア対策だろうし。

でも、この面倒な時期が生まれたからこそ「リアル自宅でくまちゃんにダイブし踊り狂う宇多田ヒカル」をフィーチャーしたミュージック・ビデオが爆誕し得たのだ。それを考えると僥倖としかいえない。いやヒカルはどんな状況下に置かれてもベストな仕事をしてくれてたと思うけど、自宅を晒すなんてことまでしたかというとそれは違ったかもねというね。

で。今まで何枚も「宇多田ヒカルがくまちゃんに抱きつく写真」を見てきたが、こうやって動画で映像で実際にダイブしてる姿を公開したのはもしかして初めて?? なんか記憶にないんだぞ。14年目にして(くまちゃんの年齢設定はどうなってるんだろね)こうやって“初出し”に巡り会えたのだとしたら、いやはや、なんとも感慨深くあることか。あの表情は一生の宝物だぜ。

Visible Time

でまぁまもなくミュージック・ビデオが公開されるのだけど、明日朝以降その話をしてなかったら察して下さい(笑)。

いやね、毎度言ってるんでうんざりなんですが、こちらとしては「宇多田ヒカルの歌を素材のひとつとして扱う映像作家の作品」は期待してないんですよ。ヒカルさんをそのまま映せば美しい。ミュージック・ビデオなんてそれで何の問題も無い。余計な事はせんでいい。

……というのが私の基本スタンスではあるものの、宇多田ヒカルのミュージック・ビデオというのは過去21年要所要所で話題になっていましてな。特に『Automatic』は「中腰で歌う赤いヤツ」という認識を日本国民に深く刻み込んだ。何の事はない、デビュー当時はまだ地上波テレビ出演がなかったので「動く宇多田ヒカルの映像」がそれ位しかなかっただけの話。ワイドショー等でヒカルの話題を取上げたら『Automatic』を繰り返し流すしかなかったのだ。ちょい極論だけどね。その為オンエア回数が凄まじい事になり皆の脳裏に刷り込まれたのだ。

他にも、『Can You Keep A Secret?』はストーリー仕立てで名作だったし、『traveling』はビデオが話題になり過ぎてDVDシングルが異例の売上を記録した。ミュージック・ビデオではないかもしれないけど、「FREEDOM」や「エヴァンゲリオン」の映像を伴ったものもあったよねぇ。宇多田ヒカルと映像作品、プロモーション・ビデオ/ミュージック・ビデオは切っても切れない関係にあるのだった。

なので、客観的に見ればミュージック・ビデオの初公開というのは注目度が高いのだけれど、自分個人は『光』や『Goodbye Happiness』のような「ヒカルがずっとひたすら映ってる作品」がお気に入りなので、出来ればそういうのが見たいなぁと公開直前の今になって無謀な願望を囁いているのでした。無駄な足掻きだけれどね。

プレミア公開ページはコメント欄も公開されていて太っ腹だ。ネガティブなコメントが投稿されたらどうすんだろうかと心配になるが、自信の表れと捉えておこう。あと英語圏からのアクセスも随分あるので、日本語と入り乱れるのも楽しみだ。勿論、他の言語も大歓迎。何言ってんのかサッパリわかんないけど、わからないのがいいんじゃないかね。各国の「宇多田ヒカル」の表記が知れたり……しないか。

どうやら私はプレミア公開に間に合いそうで安堵中。間に合わない、間に合わなかった皆さんもどうかアーカイブでしっかり観れますように。チャットもあとからチェックできると思うので、誰が来て喋ってくれるかも注目ですわね。ダヌパ来たら面白いんだけどまだスマホは持たされてないよねぇ……。

Time To Take The "Time"

さて改めて。今夜21時から『Time』MVがYouTubeでプレミア公開されるそうな。あれプレミアって言うんだね。名称知らなかったよ。

インスタライブ企画を始めるにあたってヒカルはこんなツイートをしていた。

『ひー 告知遅くなってしまったけど5月から毎週日曜日、インスタグラムから生配信(ライブではないです)をすることになりました!(以下略)』

『(ライブではないです)というのは家からのコンサートではなくて、家の仕事部屋から質問にこたえたりするだけです!の意味です…』

『英語と日本語バイリンガルの感覚からすると「生配信」=“live broadcast” (生放送)で「ライブ」=“gig/concert”(音楽の何かしらの公演)なんだけど、紛らわしかったかな』

まぁ結局最後の最後でgigの方のライブもやってくれて我々超大歓喜の前言撤回と相成った訳だけれど、この時の「ライブ」が紛らわしかったのは配信文化において「生配信」は必ずしも「生中継」を意味しないからであった。「既存の映像を皆で同時に観賞しながらコメントやチャットで交流する」というのも生配信企画の常道であり、「生配信かつライブではない」という言い方をするとこの手の企画を指す可能性が出てきてしまう。その為にヒカルの発言は紛らわしくなってしまったのだった。

今回の『Time』MV YouTubeプレミア公開企画は、その「既存映像を皆で同時に観ながらコメントやチャットで交流する」企画そのままとなる訳だ。この時の誤解が発端となってこの企画が立ち上がったのだとすると怪我の功名だね。

既存映像とは言っても初出しなのでそりゃ何万人も殺到するだろう。インスタライブと違って平日の夜なのでそこまでの人手はないかもしれないが注目度は抜群だ。ただ、プレミア公開となると「チャットに誰が来るか」が気になる所。これ初っ端でヒカルが来ると告知していない以上本人は来れないのだろう。さっきスタッフツイートをリツイートしてたけれど、もしかしたら息子の昼ご飯を作って食べている時間なのかもしれない。学校行ってんのかな? わかんないけど、当然ながら昼ご飯最優先であるからヒカルは来ない可能性が高そうだ。

となると、直前に久々のツイートをした照實さんが来てくれるのが穏当な期待となるだろう。で梶さんが業務連絡を受け持つ、と。もうチャットは開いているようなので、どこかで隈部君がテスト発言すっかもしれないね。公式のコメントは一目見てわかるように出来ている筈なので(やった事ないからわからないのでした)、時間がある方はチェックしてみては如何だろうか。

それにしても、このタイミングとはねぇ。Tシャツプレゼント当選者発表からのいきなりの配信企画。新情報が来るかどうかも気になりますわね。なお、確信がないので断言はしないが十中八九アーカイブされると思われるので今夜残念ながらリアルタイムで観れない人も後からゆっくり観れるだろうと思います。新情報対策としてそれまで通知を切っておくべきかは、悩ましいけどな……。

No Time to rest

明日28日21時から『Time』MVがYouTubeでプレミア公開されるそうな。プレミア公開ってなんじゃらほい?と思ったが、舞台挨拶の動画配信版てことね。子育て中のヒカル本人は難しいかもだが、照實さんや梶さんはチャットに来てくれるのかも。リアルタイムなので21時より随分前から張り付いてないといけないなこりゃ。

まーまだ明日21時までに1回か2回は日記を更新できると思うので、前回の続きを先に書いておくわ。

宇多田ヒカルは新進思想の(非意図的な)啓蒙者たり得る為発言炎上と疎遠だという話だった。そこでの懸念とは何か。世の中が反対側に振り切るかもしれない事だ。

「アダム&イヴ」を蹴って「ボニー&クライド」(『B&C』)を選んだエピソードからもわかる通りヒカルは男女同権思想だ。と言ってはみたものの、こっちからするとそんなの思想でも何でもない。男権とか女権とかいう言葉は存在せず人権一点張りなのだから権利なんて同じに決まっているのだが、そんなものは残念ながら理想に過ぎず、現実には男尊女卑的思想が罷り通っている。当たり前の事を言うだけで思想と言わねばならない。これが現実だ。

それが極端になる事を恐れている。野田洋次郎クラスの著名人がああいう発言をするというのは彼の無知に期するだけでは終わらない。彼は無知かもしれないが、空気は読んでいる。読み間違えだと言われそうだが、そうとは言い切れないと私は推測する。彼の周囲の言論空間(Webであれリアルであれ)ではあの発言は許容範囲だったのだ。それより広範に諮った時に少数派だっただけで、彼の周りには確実にああいった思想が息衝いている。そうみる。

今回は、少なくとも私の観測範囲に於いて彼は少数派だったが、今後はわからない。私のこどもの頃とは違い、今のご時世、優生思想をタブーとせずに宣う人間が増えている。ネットで可視化されただけだろうと言われそうだしそれについては反論も反駁も議論もしない。印象の話だもんね。同感するか否かは自由だ。

ヒカルの思想が、今後、少数派になる恐れがある。思想は日進月歩で世の中は男女同権に近付くし性の多様性もより認められていくようになるし人種差別も解消されていくだろう、という楽観論は少なくとも日本語圏では危ういとみる。どう転ぶかまだまだわからない。そんな状況下でもヒカルは言説を曲げる事はしないだろう。そうなった時に“逆炎上”する可能性が浮上する。そうなったらこの国ももう終わりだと言われそうだが、ネットで見てるこの20年間だけでも、思想空間はかなり駄目になっている。人が増えるとはこういうことなのか。

ヒカルが活動規模を縮小するなら大丈夫だろうが、残念ながら&嬉しいことに、今の認知度では相変わらず商業邦楽のトップアイコンのうちのひとつとして活動が続いていくだろう。このあと5年や10年経過する頃に、野田洋次郎が多数派になって宇多田ヒカルが少数派になっているかもわからない。ヒカルは変わらない。我々大衆の方が変質するのだ。そして相対的に、宇多田ヒカルの立場が変化する。そうならない為にも、日々の言動の中で出来るだけ当たり前のことを言っていきたい。さっきの「男権も女権もない。人権があるだけだ。」みたいな。殆どトートロジーなのだが、現実は当たり前の事を言う事すら許してくれない。まだまだ予断は許されないのである。きっと永遠に。

Noだよそりゃあ…

週末にRADWIMPS野田洋次郎のバズりツイートが流れてきてて。日付をみると7月16日なんだとか。なんで10日も経ってからやねんと思ったがなるほどこれは延焼し続けるなと納得の見事な内容。たった二つのツイートで人種差別と優生思想(ナチスホロコーストを即座に連想させる)、婚姻強制、異性婚観蹂躙、性的嗜好、各種ハラスメント(セクシャル、モラル、セカンドレイプなど)、国家介入、基本的人権、いじめの構造、Twitterでの言葉遣い、などなど、昨今話題になっている要素を尽く詰め込んだなんとも密度の濃い逸品。しかもこの週末は嘱託殺人事件で尊厳死安楽死も話題になり更に障害者施設大量殺人事件から4年というタイミングで、まぁなんだろう、ダブル役満どころかトリプル役満という凄まじさ。自らのキャリアを犠牲にしてまで昨今話題の諸問題への意識を喚起し皆で議論させた功績たるや涙無しでは語れない。

……などと私まで半分冗談みたいな口調で話さなくてもいいか。いや余りに常識外れなので俄には信じ難くてな。二つ目のツイートでダメ押しすることで「きっとタチの悪い冗談なんだろう」というこちらの微かな期待を見事に打ち砕いてくれた。ここまでの有名人がこんな並外れた失言(私がレーベルの社長なら違約金を払ってでも手を切るよ)をするだなんて戦後教育の失敗の象徴みたいなものだろう。由々しき事態なんてものではない。商業邦楽勢の危機だと思った方がいい。「売れてる歌を歌ってるヤツはあんなんだ」と思われたら市場自体の存在価値がヤバくなる。あの超特大ヒット映画「君の名は」のサウンドトラック担当グループだぜ。もう4年も前だけど。

いちばん懸念されるのは、妄信的なファンが件の2つのツイート(引用する気は全く無いので知りたい人は自分で検索してください)の内容を支持する事だ。若いどころか幼い子達までいるだろうから悪影響は計り知れない。別にファンでもない私は何もしないが、所属レーベルは責任をもって対処するべきだと思う。ここは日本だからそうはならないが、ドイツならあわや逮捕だぞ。

これを他山の石とするにも、宇多田ヒカルはこういった発言から最も遠い人物だ。寧ろリスナーやファンに新進的な考え方を啓蒙する立場といえる。

今思い返してみても、危なっかしい発言といえば害獣駆除に関するツイートとシスジェンダーのことを“straight"と表現した事くらいだろう。前者は本人が気づいて即刻削除したし、後者は指摘から始まる議論自体が実りあるものだったと結論づけていて対話自体は前向きな雰囲気で纏まった。しかも終始英語だったから日本語圏では全く炎上しなかった。どちらも、何も問題ないどころか問題提起&喚起として非常に有意義だった。

そんな感じなのでヒカルに関して失言や炎上は全く心配していない。私が心配しているのは寧ろ……という話からまた次回。