無意識日記々

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いろいろゆらゆら

そうそう、COLORSのストリングスアレンジの話だった。イケイケで一旦弦楽器隊をしたがえて、ヒカルの5ではスタジオバージョンを踏襲しつつパーカッションを強化したサウンドを響かせて、ウタユナではまた弦をバックに歌い上げた。

この経緯を踏まえれば、セットリストの中で如何様にも振る舞える"便利な"曲として扱える為、今回は恐らく前曲のPrisoner Of Loveで弦をフィーチャした流れのまま一旦サウンドをクールダウンさせる役割を担わせた、といったところだろうか。

いや本来これだけのヒット曲なのだから"演奏される事を前提で"話が進む筈なのだが、ヒカルの場合年間1位のCan You Keep A Secret?すら今回は登場していないし、最近何かと話題にのぼる初動歴代3位のAddicted To Youも姿を現さない。ファンのニーズは重々斟酌した上で選曲しているだろうとはいえ、総ての期待に応えられる道理もないので、ショウ全体のコンセプトやクォリティの側から考慮してはずすはずさないを決めているように思われる。

元々、COLORSのサウンドプロダクションというのは結構隙間が大きくて、キーの上げ下げもサウンド全体のテンションに不満があったからではないかと推測するし、編曲の構造上ヴォーカルの力量と熱量で曲を引っ張っていく必要がある。故にヒカ5のパーカッション重視のアレンジは非常にいいアイデアで隙間のある音像を埋めていたと思うのだが、今回のように弦主体で行く事にGOサインを出せたのは、偏に歌唱力に対する自信があったからだ。

発売当時も直前までファイナルミックスのディシジョンで迷っていたようだし、最初からCOLORSのサウンドはスタジオバージョンでも"最終形ではなかった"と解釈してもいいのかもしれない。もしかしたら今後もライブで様々なサウンド形態を試され続け、千変万化多種彩々色とりどりのカラーをその都度出していくのではないだろうか。まさに曲名と歌詞の通り、これから如何様にも色をつけていける白いキャンバスのような楽曲なのである。