無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Hey Girl Girl, Your Cake So ?

No, he's gentle beast in the rude!!

ヒカルのインストといえばGentle Beast Interludeの凄さに触れておかなくてはなるまい。何が凄いかというとどこがどう凄いのかよくわからないのに凄いと思ってしまうとこれ、何のことだかよくわからんがとにかく凄い自信です、そんな感じ。本当によくわからない。

しかし、これをまっさらの状態から作れといわれたら途方に暮れるだろう―と書けば少しは共感して貰えるだろうか。リズムセクションはいつものヒカルだが、上に乗せる歌声、コーラス、ハミング、スキャット、言い方は何でもいいが、ヒカルの声が上下左右これでもかと重ねられている。それはまるで幽霊のように虚ろでありながらも確実にどこかに導いていってくれるような力強さがあり、ただ闇雲に声を重ねただけでは出ない迫力、説得力がある。

特筆すべきは、ヒカルがこの曲を、Celebrateとほぼ同時に、恐らくHEART STATIONアルバム制作最後の5日間のうちに作り上げてしまったことである。2008.2.1のメッセ【やさぐれヒカル】を参照の事。ウチの携帯ではPage=28まで遡らないと見れんかった…。

このインストはまるで声で夢をみているかのような、いや悪夢をみているかのような不思議な浮遊感と力強いリズムの合体であり、ヒカルの声がオーロラのように空間を縦横無尽に行き来するサウンドがすーっとCelebrateのまとまったサウンドに収束していく所が魅力的だが、この時の切羽詰まった感情がこの変幻自在な編曲ぶりに反映されているとして、この声自体を録音していた時はどんな顔をしていたんだろうと想像するとなんかおかしい。Human Voice Padか何かを使ってひとり家でデモを仕上げている時はいいが、いざ起こした楽譜を皆に提示して照實さんや三宅さんや沖田さんが見守る中このコーラスをひとつひとつ録音していくヒカル…勿論やってる方は真剣そのもの、というか殺気立っていたとは思う(何しろこのあと100万枚売れる社運をかけた化け物アルバムなねだから)が、どこかの時点で冷静になって「なんつーキテレツな」とふと我に返ることはなかったのだろうか。ひょっとしたら、もっとスケジュールに余裕があるタイミングでGentle B
east Interlude〜Celebrateを作っていたら、ここまで迫力のあるインストにはならなかったのではなかろうか。締め切り次第で曲がどう生まれるかが変わってゆくスリル、その感情をリアルタイムで封じ込めた曲なんだと思って聴けば、このどこかに向かって導く精霊の群れのような声たちの"目的(地)"も何となく見えてくる気がしてならない。