無意識日記々

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Seven Steps To The Green Door 「Step in 2 my world」 (2008?)

Step in 2 My World

Step in 2 My World

ドイツのシンフォニック〜ポンプ系のプログレバンド。冒頭のNewRisingをお馴染みmorow.comで聴いて気に入ったのだが、やはりその1曲は突出していた。ということは他の曲はまぁフックという点では大したことないんだが、そのサウンドの個性と方向性、バラエティはなかなかに聴き応えがある。ちとエンディングをソプラノサックスに頼りすぎなんでないの、とかどうにも様々な要素を包含している割には楽曲の構築性に乏しく、ドラマ性に欠けるんじゃないの、とか難癖つけたくなるが、3人の男女ボーカルを駆使したハーモニー・ワークは爽快のひとことで、普段ハードロックのガナリ声に辟易している私からすれば一服の清涼剤。ジャズっぽいセンスを持ち合わせながらも、ベース&ドラムのコシの強いサウンドをメインにミックスされているので、重心はしっかり“ロック”しているアルバム。ヘヴィ&ジャジーかつ整合性に溢れ洗練されているという意味でAGHORAを思い出した。分厚いハーモニーと多彩なアレンジはMagellanも想起させる。ということで一聴した感想は「Magellan Meets Aghora」ってところ。フックに乏しいなぁ、と聴き薦めていくと最後の2曲、CloserとOut Of Cloudsが妙にキャッチーで予想をいい意味で裏切ってくれる。なんだかドイツ人なせいか、「Closer」を「クローザー」と発音するのにどうしても違和感が拭えなかったが同曲もはやり彼らの弱点であろう焦点の定まらないアレンジと構成のせいで損をしている。もしこの曲をハワードベンソンがプロデュースしたらかなりのヒット曲になったことだろう。Out Of Cloudsは名曲といっていいメロディラインが魅力的。ラストのアレンジから察するに、彼ら自身もこのメロディの強さには自覚的なんだろうから、この熱しきらない展開の数々も、狙いなのかもしれない。ともかく、全体的にサウンドの方向性は直球で私好みなので、人にはオススメしづらいが私個人は継続して愛聴していくことになるだろう。(81)