Relayerを聴いたので、では、ということで大半の人がYESの最高傑作として今作をあげる1972年発表の5th邦題「危機」を聴き直してみた。Relayerを聴いてから聴くと、この作品の整合性が奇跡的なバランスの上に成り立っていたことがわかってくる。特にギターの
スティーヴ・ハウのフリーダムさは常軌を逸していて、なぜここまで奔放に縦横無尽に弾きまくっていて最終的にこうやってまとまった、様式美的な美しさすら醸す楽曲が完成するのか、意味が分からない。ベースのクリス・ス
クワイアも大概大暴れである。やっぱり、
リック・ウェイクマンの美意識がギリギリのところで楽曲をシンフォニックに成立させているのだろうか。シンフォニック・ロックの典範みたいな言い方をされるこのバンドだが、そのシンフォニックさを担っているのは極端にいえばそのリックひとりであって、クリスとビルは強烈なテクニックでボトムをロックさせているし、ス
ティーヴの自由さは今言ったとおり、ジョン・アンダーソンのヴォーカルも宇宙からの使者みたいで、近
未来派プログレのお手本ではあるものの、シンフォニックという感じではない。これだけバラバラの個性が集まって“CloseToTheEgde”みたいな構成美に帰結したのは、、、奇跡っていうか、偶然って言った方がよかったのかもな。彼ら
からしてみると。歴史的には必然だったのかもしれないけれど。点数は適当。201202012225追記。(
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