無意識日記々

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エヌ氏とエム氏

『Everybody finds love in the end
 もうにどとあえない
 なんてしんじられない
 まだなにもつたえてない まだなにもつたえてない』

次に子音をみてみよう。

『M/NDT//N/
 NNTSNJRRN/
 MDNNMTT/TN/
 MDNNMTT/TN/』

一見して、MとNの音が多いのがわかるだろう。次にTとDの音だ。前に述べたように、この歌のテーマは「はなとあなた/HaNa To ANaTa」なので、NとTの音が多用されるのは意図的なものだ。

MとNの音は似ている。発音上は、音の出口が上下唇の間(M)か口蓋と舌の間(N)かの違いしかない。例えば、LとMとN。「エル」と「エム」、「エル」と「エヌ」は比較的聞き分け易いが、「エム」と「エヌ」はなかなか聞き分け難い。即ち、「ル」の音より「ム」と「ヌ」の方が音として近い訳だ。

歌詞でもこれは意識される。このパートの各行は「も」「な」「ま」「ま」と、1,3,4行目がMの音で2行目だけNの音だが、MとNの音が比較的近い事もあって違和感は少ない。また、「まだなにもつたえてない」は「ま」「なに」「も」という風にMとNが交互に出てくる事によってメロディーを波打たせるように聞かせている。激情の展開である。

Mの音をもつ言葉を取り戻してみると、「もう」「まだ」「なにも」、Nの音を持つ言葉を取り出してみると「にどと」「ない」「なんて」「ない」「なにも」「ない」「なにも」「ない」という風になる。このパートがNを主軸にしてMが補助的に使われている事がみてとれる。

これに加え、N&T(orD)の原則に則ってT(orD)の音も付随して出てくる。「にどと」「なんて」「まだ」「(なにも)つたえて」という風に、N或いはMの音の後を追うようにしてT(orD)の音が登場する。NとTが波が交互に打ち寄せるようにして押し寄せてくるので、全体に大きくうねるような印象を与える事に成功している。


TとNとMの音が含まれる言葉といえば他に何かあるかな、と考えたらふと「Tsu-Na-Mi」というのを思い付いた。しかし、流石にそれは考え過ぎだろうな…。