無意識日記々

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ノブレス・オブリージュ

フィリピンでの例の大災害への支援活動に関して、Hikaruの名前も上がっているらしく。まぁその記事の有無以前に「きっとそうだろうなぁ、何かアクションを起こしてるんだろうなぁ」とファンの方は思っていた訳で、これはその確認作業といった所か。

セレブリティが慈善活動を行うのは、その財力そのものの効果は勿論の事、一般市民への啓蒙活動という面も大きい。その点で考えると、Hikaruが、恐らくその頻度や規模の割に滅多に名前を出さないのはやや(そういった西洋人の感覚からすると)不自然に見えなくもない。しかし、単純にいえばそれはマスコミ対策なのだろう。

日本のマスコミは西洋人ではない。もうそれだけで説明は済んでいるようなものだが、日本には寄付文化等一連の慈善活動への理解がない。そういった側面がないというより、全く異なったシステムで対応してきたという方が正確か。その為、啓蒙として寄付行為を発表したとしても無意味或いは逆効果になる恐れがある。ならば極力発表しない、という風になるだろう。東日本の震災の時に数字を含めて発表したのは、日本人の方にもそういう西洋的なシステムに対する需要が出る事を見越しての選択だったように思われる。尤も、この言い方はただのあとづけであって、当時の空気からすれば「なりふりかまっていられなかった」と言った方が実感に近いか。

でだが。今後Hikaru Utadaとして国際的に、或いは地球規模に活動していくにあたって、こういった(恐らく既にライフワークのひとつになっているであろう)活動に関して、どのような発表形態を選択していくか、というのが課題になってくる。今回取り上げられた記事は英文だったが、そこにおいても名前だけで顔を出さなかったのは、例の「人間活動中は顔写真は出さない」という不文律を守ったのか、「慈善活動において名前を前面に出さない」という基準を守ったのか、或いはその両方か、はたまた写真を撮られ忘れただけか、実際の所はわからない。しかし、出来るだけ事前にスタンスを決めておかないと、自然災害の起こるタイミングなんてわかったものではないのだから、いざという時の行動選択に支障が出る。どこらへんの国でどんな災害があったらどう行動するか、予めシミュレーションをしておいた方がいいかもしれない。まぁ、余計なお世話ですけれども。