2014年の2月も今夜で終わり。来月は多分1ヶ月ずっと「First Love15周年祭り」になるだろう。考えてみれば不思議なもので、普通大々的に祝うならデビュー15周年記念日のある2013年12月な気がするのだが様々な事が組み合わさって斯様な事に相成った。確かにFirst Love アルバムは間違い無く歴史的金字塔であって、この作品を超える作品はもう出て来ない、と言っていいだろう。内容ではなく、その凄まじい影響力において。
なんだけど、私にはあんまり関係ない。今回の企画はそれはそれは嬉しいが、出来ればこれで終わって欲しくない。まだ聴いてないので気持ちがどちらに動くかはわからないが、総ての音源をハイレゾで出し直して欲しい、なんて風に思いそうな気がする。そういう意味で、「FL15は始まりに過ぎなかった」と言えるようになる展開が望ましい。
高音質を求めたい、という点で現実的なのは、UTADA UNITED 2006とIn The Flesh 2010のBlurayの発売だろう。両方ともHDカメラで撮影したのだから音質も(本来なら)高い筈だ。
現実的ではないが強く求めたいのは桜流しのリマスタリング/リミックス/リプロダクションである。楽曲も歌唱も図抜けて素晴らしいがそれだけにサウンドクオリティーが相対的に低いのが残念だ。何とかならないものか。
熊淡についても触れておきたい。「だゆーんだゆーん」はあのままいくとトレンドに載るんじゃないのかという程リスナーのウケがよかったが、肝心の「半拍ずらすアイデア」にスポットが当たらなかったのは痛かった。手拍子がきこえづらかったからだが、私としては、今回ヒカルが直接言ってくれるまでこのアイデアに気が付かなかった事を激しく悔いつつ、「そうそう、こういうアイデアに気が付いた時って興奮するよね!」と首肯の相槌を打っておきたい。最小限のアレンジで同じメロディーの印象を違える事が出来る―しかも、聴き手はその理由になかなか気付かない。「なんかよくわからないけど、おんなじメロディーなのに、違う感じがする」、そう思わせる為のアイデアがただシンプル且つ大胆に「半拍ズラす」だけだったのだから、ヒカルは結構に誇らしい気分であった事だろう。こういう話を聴けるだなんてやはり熊淡は至福の時間である。来月で最終回と言われる恐怖と現在格闘中だ。もしそうなったらまた4月分を4月に聴き返していこう…繰り返す12ヶ月…これが
サザエさん時空か…(精神崩壊)。
そういった貴重且つ至福な時間は味わえないが、甘酔の一時間も実に楽しい。当時のヒカルのノンプレッシャーぶりは一体どういう事なんだと苦笑いする我々大人たち。今31歳の大人の女性が今の自分たちと同じ位の年齢の頃どんな感じだったのかを知れる、という点で、もしかしたらこの番組は今10代のファンが聴く事が最も意義深いのかもしれない。何難しそうな事言ってんの!と当時のヒカルなら笑い飛ばしそうだけど。
甘酔の方は3月いっぱいで終了する事が決まっているので、覚悟は出来ているがこれで熊淡も同時に3月に終わっちゃったらその喪失感たるや想像するのも恐ろしい。もしかしたら、今まで努めて「ヒカルの気が済むまで人間活動を」と大人なフリをして冷静に振る舞っていたヤツが「早く活動再開しやがれ」と言い出すかもしれない。誰だそいつ。俺か。はてさて、2014年3月はどんな月になるのやら。今から期待と不安で胸がいっぱいである。