無意識日記々

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LuvLive01甘いワナ~Paint ItBlack~

じゃあじっくりLUV LIVEから行こうか。間もなく公演自体からも15周年だしな。

まずは一曲目、甘いワナ〜Paint It Black〜から。

このライブ・テイクの特徴は、ヒカルのリズムが上擦り気味な事だ。まぁこの曲のアッパーぶりからすればそれ位で丁度いいんだが、基本的にリズムから遅れて粘り気味に音符を乗せていくいつものヒカルのスタイルからすれば、この曲は珍しい例といえるだろう。

理由としては、単純に緊張してた上興奮しちゃったからだろう。イントロからスタジオ・バージョンと同じフェイクを交えながら『すげー!』って「お前は観客か」と突っ込みたくなるテンションで叫んでいる。(この時の弾ける笑顔が堪らない) ヴィニー&ニールのリズム隊が非常に正確・ジャストなので(特に、ヴィニーのアウトロにおけるプレイは一瞬で裏と表を切り替えながら一切リズムがぶれない彼お馴染みの「なんだ神か」的な神業技術の片鱗を控えめに見せてくれている。スタジオバージョンのアウトロと聴き比べてみよう)、ヒカルがやや前のめりなのが余計に目立つ。スタジオバージョンではキッチリ決めてくるヴァースの混合拍子フレーズ(「いーつもあぶない」と「そーんなあなたの」)も、ややアタックが弱く効果が薄くなっている。「逸るな逸るな」と諌めたくなる感触だ。まぁ、この曲に限ってはヴォーカルは突っ込み気味位で正解なので、これでいいんだが。一番のサビ最後でリズムだけでなく音程も上擦り気味になるが、そこからのオリジ
ナル・フェイクによるフォローが素晴らしく、メロディーの印象を綺麗に纏めている。ライブ経験の数からいえばこのアドリブ力は天性のものとしかいえない。なんちゅうシンガーか。

アドリブといえば、この曲のハイライトのサビである。メインのフレーズを総てマニピュレーターからのバックコーラスに任せて全部アドリブで駆け抜ける。初ライブのオープニングならではの初々しい高揚感の中でこのパフォーマンスはもう度胸満点と言わざるを得ない。しかし、本当のハイライトはストーンズのパートに入る前、キーボードによるホーン・セクションに合わせてワンフレーズだけ『タッタッタラッタ』とユニゾンかます場面だ。この時に感じられるいたずらっぽさと楽しさがコイツの真骨頂なんだと思う。いやぁ、一曲目から痺れさせてくれるぜ。