無意識日記々

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この夢は誰のもの

ほう。照實さんのTweetによるとEMI Recordsは消滅してVirgin Recordsに。ごく平たく言えば元の名前に戻ったようなもんだな。これはAutomatic Part3を作るチャンスだ。Used to be Virginだったのがなうにまたなるんだ。ま、大事なのは組織であり人だから、陣営さえ変わらなければ問題ないだろう。陣営を変える為の布石だったら考えものだけど。

私はテレビをつける習慣がなくなってしまったから(見ない訳じゃないよ)、今の「大衆」がどんな雰囲気かはわからない。宇多田ヒカルは、一旦その「大衆」を相手にしたビジネスモデル(あれこの単語ここで使うのもしかして初か?)で大成功してしまった為今更何も変えられない。メジャーレーベル前提のアーティスト活動が基本となっている。大きく宣伝して広く薄くという具合。

こちらの目に入っている今のビジネスモデルは、「狭くてもいいからまず深く。そこから広げるだけ広げる」。代表例は秋元康さんちで、たぶんあそこはまず少数の熱心なファンを獲得する所から始めていた。それが広がり過ぎてこうなっている訳だが、つまり彼の手法が文句を言われるのは狭い世界のアイドルヲタクのマナーそのままでメジャーな広い世界にはみ出してきたからだろう。ラブライブのライブの為にBluray10枚買っても叩かれないのは、まだラブライブがメジャーな関心になっていないからだ。

そして今はそのメジャー市場がない。邦楽の元気さがあるとするならそれはコンサートに足繁く通う熱心な音楽ファンによって支えられている。この間Bump of Chickenだっけ、地上波初出演とか言ってたけど、多分何も変わらないだろう。既に彼らはCDの売上も動員数も確固とした基盤を築いている。今更大衆にアピールするなら一週間連続出演とかしないとね。

そういう意味では、なんだろう、「広く浅く」の大衆相手のビジネスモデルは、勿論まだまだ機能しているが、基本的には「もう要らない」んじゃないかと思われる。そこにまた突っ込んでいくのかヒカルは。

アナと雪の女王」の特大ヒットとサントラの売れ行きは、まだまだその「浅く広く」が通用するどころか、相変わらず一旦火をつけると延焼しっ放しになる現実を見せつけてくれた。こういう成功体験があると、なかなか事態は改善されない。成功してるんだから改善とか不要というのはそうなんだけれども、わかりやすくいえばこういう展開でMr.Childrenのような「10年は柱として期待できる存在」が生まれてくるかというとなぁ。

そりゃまぁ今更だよ。ヒカルに何を期待するのか、は。でも、困った事にこの人は、キャラクターとして端っこの方で細々とという訳にはいかないんだ。Virgin Recordsの看板として期待され、れりごー並の大ヒットを嘱望されているんだ。それを呪縛と言うのは簡単だけど、果たして誰がこの「期待」を「現実の自分の問題」として受け止めているかといえば、誰もいないんじゃないか。そういう人が出てこない限り、成功しようが失敗しようがそれはずっと夢の中に漂う幻のままだろうな。