無意識日記々

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何故恋ではなく愛なのか

This Is LoveのLoveが、何故恋ではなく愛なのか。歌詞には『予期せぬ愛』『これは愛かも』と愛は二度出てきて、恋は出てこない。

同曲はULTRA BLUE発売当時配信限定先行シングル曲としてリリースされ、Music Stationでも披露された、いわばアルバムを紹介する、象徴する楽曲であり、同作の1曲目を飾っている。作風としても、恐らく全体の制作終盤に完成した曲なのではないかと推察される。

そこらへんを、歌詞の面から見てみよう。

『震える手』や『支える手』といった描写は、Be My Lastの『何も繋げない手』『掴めない手』と対応しているように思えるし、『うしろからそっと抱きつく人』はWINGSでみつめながら抱きつけなかった背中と重なるし、『閉ざされてた扉開ける呪文』とは、誰かの願いが叶うころで開けられなかったドアが再び出現したようにみえる。

つまり、This Is Loveは、アルバム全体を包括的に眺めて、それぞれの場面で絶望を抱えていた人たちに希望というか前向きな気持ちを与えていく物語なのだ。この曲は、アルバム全体を大きな愛で包んでいる。

恋は一点集中だ。その人しか見えなくなる。愛は、少しでも大きく包み込もうと全体に広がっていく。だから、This Is LoveのLoveは恋というより愛なのである。スケール感大きいそのサウンドから、この曲に込められた大きな愛の力をあらためて感じ取ってみるのもいいんじゃないかな。