無意識日記々

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Be My Last High Resolution

「Single Collection Vol.1」「〜Vol.2」のハイレゾリマスタリングで驚いたのは"Be My Last"だ。最も劇的に音質が上がっている。

ハイレゾで注目すべきは生楽器のリアリティだ。電子楽器などの打ち込み分はそれほど音質改善はみられない。その為「First Love」アルバムの楽曲はそこまでハイレゾ化の音源を受けていなかった。やはり"FINAL DISTANCE"等、生楽器を大きく駆使した楽曲でその威力は発揮される。

"Be My Last"もその系譜のサウンドだ。極力無駄を排し、アコースティックギターとドラムス、そしてシンセの主旋律で楽曲を構成している為、生楽器の比率がいつにも増して高く、また音数が少ない為ひとつひとつの音の粒立ちが元々いい。ハイレゾによって力強く生まれ変わる為の因子は揃っている。

それにしても何故、と思いユニバーサル・ストアに掲載されていた原盤ビットレートを確認すると、"Be My Last"だけ周波数が飛び抜けて高い。他のソースは44.1kHz〜96kHzなのに、"Be My Last"だけ192kHzなのだ。

これをどう解釈すべきかは悩ましい。というのは、幾ら元音源が192kHzでも、今回のハイレゾリマスタリングは総て96kHzで統一されている。その為、44.1kHzや88.1kHzの音源はアップコンバートされている一方、この"Be My Last"はダウンコンバートされている筈だ。つまり、僕らの耳に届いているのは192kHzではないのである。

ダウンコンバート組より音質がいいのはわかるが、96kHzソースのトラックたちより更に音がよく感じられるのは何故か。論理的可能性はいろいろ考えられるが、もし仮に原盤の高音質がダウンコンバートに反映されるとすれば、今後発表されるHikaruの新しい音源のハイレゾバージョンは非常に高音質の恩恵を感じられやすいものになっている、のかもしれない。そういう意味では、ハイレゾ化計画は全体的に時期尚早という事になるが兎も角、未来へ向けてポジティブな気持ちにさせてくれた"Be My Last"のハイレゾリマスタリングだった。圧巻だよ。