無意識日記々

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#とと姉ちゃん反省会向けの日記

とと姉ちゃん」、少しは評価を回復してきたかな。「 #とと姉ちゃん反省会 」タグの中にも、無理やり難癖つけたいだけのものがちらほら。あクマでちらほらだけど。

急激に面白くなった訳ではないし相変わらず作りは雑なのだが、曲がりなりにも本題といえる雑誌作りが始まった事と、やはり何より、唐沢寿明が画面に沢山出てきてる事が大きい。いや、その一点のみと言ってもいい。大変な名優である。

純ちゃんの応援歌」の時はまさかここまでビッグな役者になるだなんて夢にも思っていなかった。「さくら」に長澤まさみが出てきた時に「あぁこの子は主役の子より遥かにビッグになるわ」と感じたのとは対照的だ。なかなかに人の将来を見極めるのはむつかしい。

CASSHERN」の時も思ったが、如何にストーリーが破綻していようと彼はワンカットの立ち回りで視聴者を惹き付ける。大変な技量である。おんぶにだっことはこのことか。

「 #とと姉ちゃん反省会 」タグを見ていて気がついた事だが、このドラマ、熱心に観てる人程評価が辛口になるらしい。真剣に観てキャラクターに思い入れを作ってきた人ほど、数々の唐突なキャラ崩壊に憤慨している。先週は沢山「鞠子ってそんな人だっけ?」という旨のツイートをみた。この特徴は相変わらず健在である。

逆に、今までの展開や人間模様が頭に入っていない、作品に対してさほど思い入れのない人ほどこの作品への評価は高い。毎日の15分、最初に流れる主題歌は宇多田ヒカルだし役者陣は唐沢寿明をはじめとして演技のしっかりした人ばかり。小橋一家は美人揃いで朝から眼福である。軽妙なやりとりでくすりと笑いをとったかと思えば壮大な音楽に乗せて感動的なシーンも演出してみせる。これまた皆迫真の演技で迫力がある。嗚呼、『迫真に迫る』のメッセを思い出してしまった。それはさて置こう。

つまり、「とと姉ちゃん」の弱点は最早雑な脚本と雑な演出の二点のみなのである。その他の、主題歌、芝居、セット、カメラワーク、背景音楽などはもう総てがハイレベル。特に、今まであまり触れてこなかったが、ここぞという場面でかかる曲の幾つかは非常に存在感があり、いきなり話を知らない状態でチャンネルを合わせても何となく感動させられるような力強さがある。そこに唐沢等の熱演が目に入る。そりゃあ「おっ」となるだろう。

一方、第一週から丁寧に観て来ている人たちは、そういった壮大な音楽が流れている場面であればあるほど冷め切っている事だろう。白々しい、わざとらしい、不自然だ、いやもう不愉快ですらある。音楽でごまかそうったってそうはいかないぞと身構えてしまっている。曲のよさも役者陣の演技も、耳に目に入らない。ちょっと不幸。

それが「とと姉ちゃん」の見方なのだ。森田屋の面々や青柳の皆の消息云々をきっぱり忘れ、綾さんの微妙な女心の動きを踏みにじるような主人公であってもそれはそれ、何となく流しておけば気にならない。確かに、フィクションだから構わないだろう。現実には誰も傷付いていない訳だから。

脚本と演出さえ諦めてしまえばなかなかに楽しめるのがこの「とと姉ちゃん」。なんだか、最近の配役も含めてまるっきり「CASSHERN」そのものだ。何より、原作やモデルに対するリ…今宵はここらへんでやめておこうか。ドラマを楽しめるか楽しめないかなんて、そういう気の持ちよう1つなんですよ、ええ。