『俺の彼女』てなぁ。
「宇多田ヒカルの新曲タイトル当てクイズをやってみましょう。」と穴埋め問題を出されたとして、
「○の△□」はおろか、
「○の△女」でも、
「○の彼女」でも、当てられる気がしない。これが、
「俺の△□」だと、何十回と答えてるうちに当たりそうな感じは、ある。
まぁそれくらい、『俺』という一字は、予想外だ。いやそれどころか、まだ一度も歌詞で使った事のない字だったり、しないか? 『彼女』の方は、「あ、『One Night Magic』があったな」と、すぐ出てきたけれど。
『俺』ってホント逃げ道がない。ジェンダーがどうのこうのと言ったって、現状として、圧倒的に男子の一人称だ。これが「君と僕」ならまだ僕っ娘だと言い張って女性視点と解釈できようが、『俺』を女子目線で言えるようなキャラってそんなの………そ、その為のパイセンキャラであったか!
そういやパイセン、質問に答える中で何度も「おれは」って言ってたわ。あー。まさかあれが歌の歌詞の人称への前振りだとは1mmたりとも思っていなかった。やられた。周到過ぎるぜパイセン。
しかし、一応、パイセンキャラは「女性がいきがってる」姿が基本にあるので何とかなっているのだが、『俺の彼女』って言い切ってしまうともう男性視点から逃れられ………ゆ、百合なのか!? これは高度な百合物語なのか!!??(←テンションあがりすぎ)
パイセンキャラが男前になり過ぎて親友の女子を俺の彼女呼ばわり…おっとりしてて何をやってもダメで泣いてばかり居て庇護欲をかきたてられるんだけどいざという時はという可愛い可愛い親友、いやもう恋人でいいでしょ、パイセン女子が後輩女子を「俺が守ってやる」って力強く抱き締めて…キャーッ!(←そういうの大好物な人)
…よし、そういう曲という事にしておこう。
これが仮に。ヒカルが真正面から男目線で歌っているとすればもうリアル宝塚。ヒカル自身がダンディーにエスコートする立場になる。え、何。この歌をLIVEで披露したら黄色い歓声が飛び交うの? 「抱いてくださいヒカルパイセン!」ってみんな平伏すの? ねぇそれおっさんも言っていい?(←…気持ち悪い…(笑))
という訳で、どんな歌詞かもわからない現時点で早くもLIVEで聞けるのが楽しみな曲である。尤も、最もアクロバティックな歌詞は、これが母と娘の物語だったりした場合なんだが。何を言ってるんだと言われそうだが『真夏の通り雨』が生まれてしまった今、ヒカルはもう何でもアリである。それは、「なんでもかんでも母娘の話にしてしまう」というのではなくて、ある1つの人間関係を自在に他の人間関係に置き換えて歌詞のドラマを構築できるという意味だ。母娘関係を恋人関係に読み替えるなんて序の口で。例えば日米関係を一夏の恋に喩えたのが『Easy Breezy』なんだから元々何でもアリである。だからって、でも、『俺の彼女』はチャレンジングだよねぇ。裏の裏で、本当に男の子が恋人の女子の事を歌う歌だったらヤバいなぁw