無意識日記々

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雪は降る。あなたは来ない?

―― その絵は何番目かの字だし、この字は絵のうちのひとつさ。

「あなたが待ってる」のクレジット、ヒカルは作曲に名を連ねていない。作詞、編曲、プロデュースだ。ピアノソロの部分は、作曲ではなく編曲の一環という事か。他にもストリングス・アレンジもヒカルの役割だ。

つまり、メロディーについては栄純責任持てよという事で、ある意味冷たい(笑)。素材のよさは引き出すが、それ以上のものは出ませんよと。ナメック星人か何かか。

となると、こちらが注目したいのは作詞のうち、歌詞のうちヒカルが"責任を持っている"のはどの部分か、という事になる。クレジットというのはそういう事だ。この部分は俺が責任を持つから金寄越せ、と。クレジットってクレジットカードのあのクレジットだからね。

プロデューサー・クレジットというのは、その点捉えどころがない。複数の選択肢があった場合にどれを選んでどれを捨てるかを決断するのが役割だ。素材は作詞家作曲家演奏陣が提供します、それをどう組み合わせるか或いはやり直させるかが腕の見せどころ。プロデューサーにエンジニア上がりが多いのは、その取捨選択を自らの手で行えるからだ。

なので、ヒカルは、この曲の作詞とプロデュースの両方を担当しているからには、どの歌詞を書いたかに加え、"どんな歌詞を捨てたか"までわからないと、そのプロデュース能力を評価する事が出来ない。無理筋である。ここは素直に、どれがヒカルの言葉なのかを見つけだしてみよう。

最初に「あなたが待ってる」を聴いた時に最も印象に残った歌詞は「いつか僕らも雪の下で眠る日まで」の箇所だった。最後のサビに行く前のアドバンス・パートである事、雪という言葉が出てくるところから即座に『Flavor Of Life』を連想させた(『降り積もる雪の白さをもっと』)。更にストリングスアレンジが『Flavor Of Life - Ballad Version -』の方を思い起こさせた。その為第一印象としてこの部分がヒカルの書いた歌詞かと考えたのだ。

とはいえ、FoLBVのストリングスアレンジってあれヒカルがやったんじゃないのよね。寧ろ他人に任せたからあんな風に大ヒットしたともいえる訳で。しかし勿論そんな話は10年も昔の事。今や自ら自在にストリングスアレンジを施せる頼もしい姐さんである。しまった、パイセンだったか。

この推理は、非常に安直である。「いちばん印象に残った=ヒカルが書いた」と言っているのだ。何とも傲慢。しかし、今のところ他にとっかかりがないしこういうのは正しい認識よりどう間違ったかを記録しておいた方が歴史の為にはいい。何の臆面もなく記しておく事にしよう。あなたは、どの部分がヒカルだと思いましたか?