『Fantome』疲れ(笑)。
まぁ幸せな疲労ですよ、えぇ。
同作のiTunesUS総合6位(乃至は3位)の"衝撃"の余波まだまだ覚めやらぬといったところだが、この順位は瞬間風速だ。『This Is The One』の時も総合18位まで上がり、この時は本丸たるビルボードTop200にもランクインした。181位か2位か忘れてしまったが、要はまぁギリギリ滑り込んだという具合。あれから時代も変わったので一概には何も言えないが、少なくともTop200には入っているだろうから今週のビルボードランキングの発表が楽しみだ。こちらが"後々まで残る"方の記録なのだし。
ではなぜそこまで売れたか、という話だが、これは当然ベースはその「『This Is The One』を総合18位にまで押し上げた人たち」が担っている、と仮定する所から始めなければならないだろう。『Come Back To Me』の当時のチャートアクションからすれば、リズミックチャートを熱心にチェックするようなソウルファンはUtadaの名前を幾らか覚えている筈だ。
問題は、それが7年以上前の話であるという事である。そこからのファンの増減、入れ替わりを考慮に入れなければならない。
『In The Flesh 2010』のビデオを見ればわかる通り、海外のファンは日本以上に熱狂的だ。更に、そのうちの相当数の日本語曲に対しても歓声を上げている。実際、『First Love』の盛り上がりは一番人気の『Come Back To Me』に迫るものがあった。あの様子だと、ITF2010まで「10年待った」熱心なファンがかなりの数含まれているとみていいのではないか。つまり、「10年待てたんだから7年待つなんて何でもない」という層がかなり居てもいいんじゃないかと。
及び。先述の『Come Back To Me』のYouTubeでの再生回数は、公開時期が1年以上早いというアドバンテージがあるとはいえ、他の宇多田曲と混じってもTop10にあたる高水準にある。この認知度の高さは、海外でも細々とでも新規ファンを獲得していかなければ維持できないものだ。
よって、『Fantome』のチャートアクションは何よりもまず、「『This Is The One』を買ってくれた人たちがまた買ってくれた」という所から分析をスタートするべきだ。ITF2010の動員数からしても、その数は1万をくだらないだろう。そこをベースに、更に細かい話はまた次回のお楽しみ。