無意識日記々

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沖田梶ご両人も「お引っ越し」

今回の移籍の肝は、やはり沖田梶ご両人も「お引っ越し」する点だ。ある意味、今回の一連の流れでヒカルが唯一犯した失敗は、最初のメッセでこの点に触れなかった所だろう。しかし、すかさずファンの人(すーさんだな)が@hikki_staffにツイを飛ばしそれにリプライする形で梶さんが己らの「お引っ越し」を吐露した。ファンの人(だからすーさんだなっ)のファインプレーといったところか。

何故彼が心配そうにそんなツイートをしたかといえば、たむらさんちのりかちゃん、本名ミラクルひかるさんが(逆、逆ッ)事務所を移籍した際にどれだけ苦労していたかを間近に見ていたからだ。周囲のスタッフが入れ替わる事の影響は、我々一般人の想像よりずっと大きい。再デビューする覚悟くらいはないと厳しいのだろう。

故に沖田梶ご両人の移籍は、非常に大きい。これがなければ、いやこれの発表が早期になければ自分も今回の移籍にネガティブな推測を加えざるを得なかっただろう事は想像に難くない。よかったよかった。

音楽ディレクターとA&Rがミュージシャンの移籍に引っ張られる形で共に移籍する例は、私個人は寡聞にして聞いた事がない。照實さんの存在がなければ、もしかしたらご両人のどちらかがヘッドハンティングを受けて移籍が決まり、ヒカルがそれについていく形になったのではとも考えられたケースである。

こういったA&R主体の考え方は、英語圏のレコードカンパニーでは珍しくない。単純に、ミュージシャン側が「レコード会社と契約したというより、この人の熱意に打たれて契約した」から、とかそういう理由がある。或いはヒカルのように、仕事を通して「この人がA&Rでなければならない」と痛感して、というのも勿論ある。いずれにせよ会社という枠より個人と個人の信頼関係である。

それにしても、レーベル(今の場合はEMI/Virgin)のトップがまるごと移籍というのは異例中の異例である。なにしろ現在進行形の稼ぎ頭なのだから。レーベルの稼ぎ頭というのは想像以上に大きく、例えばMr.Childrenが解散すれば幾つもの企業が潰れるだろう。ヒカルはそこまでではないにせよ、今Virginは存続の危機であり。或いはあっさり解散するかもしれない。ユニバーサルには他にも沢山レーベルあるからね。

となると、次に考えられるのは次から次へとVirginからEPICへの移籍が連なる事である。特に、梶さんの担当だったミュージシャンやグループは移籍する可能性がかなりある。それぞれにまだ未了の契約があったりでタイミング的にヒカルと足並みを揃えるのは難しいとしても、各々の契約満了に合わせてEPICへの転身は大いに考えられる。

無論、Virginには梶さんが率いる以外にも幾つかA&Rチームがあるから即という訳にはいかないが、これはつまり「SONYによる緩慢なVirginレーベルの買収・移籍」に近い格好になる。早くもRADWIMPSの中の人などは暗に「うちらはEMIから移籍しないからね」と仄めかすツイートをしていたが、確かにこの流れは黙ってるとすぐ疑われて危ないので対処としては正解である。今回のヒカルの移籍がキッカケでまた「レコード会社再編」の新しい動きが起こるかもしれない。まだまだ時間はかかるだろうが、その影響はやはり想像以上に大きいものになっていくだろうですよ。