無意識日記々

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幾らでも面白い

そのままのペースでブレスの解説をしようかと思ったが、それはちょっと朝から重たい。また夜の更新に回そう。…そう言って続きを書かなかった例は数知れず…。

真夏の通り雨』は、しかし、前にも言った通り『Fantome』を代表する楽曲である。桑田佳祐が『花束を君に』ではなくこちらを選んだのも頷ける。理由はどうあれ。

『Fantome』の楽曲の歌詞は主に追悼と不倫(ある意味純愛)に分けられる。追悼にあたるのは『道』『花束を君に』『真夏の通り雨』『桜流し』、不倫にあたるのは『俺の彼女』『二時間だけのバカンス』『ともだち』『真夏の通り雨』、という風に。

『人魚』『荒野の狼』『忘却』『人生最高の日』については、どう解釈するにしても単純明快とはいかないので素直に『それ以外』と書いておこう。つまり、読み方によっては追悼曲ともとれるかもしれないねっていうことでな。例えば『花束を君に』だって、「とと姉ちゃん」でととが死ぬ展開でなかったらどれだけ追悼曲として浸透していたか未知数だし。

で。アルバム収録曲数は11曲でしかないのに綺麗に4曲ずつにわかれているのは、つまり、『真夏の通り雨』が重複して選ばれているからだ。ここまでは以前にも延べた。

そうそう、『二時間だけのバカンス』はともかく、『俺の彼女』や『ともだち』を不倫と呼ぶのは違うでしょ、という指摘はもっともだ。違いない。ここでは、少し拡大解釈をしていると思ってもらえれば。といってもそれはただ文字通り「倫理に拠らない恋愛関係」というだけなのですが。それはつまり純愛だが社会的に認められない形態だということ。なんだか『Be My Last』が流れ出しそうだが。

特に『俺の彼女』がどう不倫であるかを考えるのは興味深い。本来の不倫は「社会的に認知され得る恋愛関係に対して、倫理的に許されない恋愛」の事を指すが、この2人は2人きりで「自分の本音は社会的に許されないから建て前の気持ちで恋人関係を演じようとしている」のだ。つまり、他者を介在させずに2人とも"浮気"をしているんだが…ってこの話も長くなるな。また短く纏める方法を考えて出直してきますか。

兎も角、『Fantome』の歌詞は幾らでも面白い。どう読み返しても種々の解釈が浮かび上がる。それだけ普遍的な証左だ。こうやっているうちにまたすぐに次の作品が来て塗りつぶしていくのだから、いやはや、勿体無い贅沢の限りでございますわなぁ。