無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

ネット疲れ

スマートフォンの普及以降インターネット上の情報の平均クォリティーが著しく下がった」という話は夏に「今日は暑いですねぇ」と挨拶するのと同じ位の頻度でしてきた気がする。

かつては出版や大学もそうだった。本を出せるのは極々一部のエリートたちだけだったろうし、大学進学率は今より目に見えて低かった。文化水準全体が底上げされたとしてもその時代々々々々に生まれてくる人間がいきなり賢くなる訳じゃあない。どんな時代でも一定割合秀才や天才が居るもので、新しい時代の新しいアイテムはまず彼らが独占する。その時代を経てツールが我々庶民に渡った時に全体のクォリティーが下がるのである。極々当たり前の事を言っているに過ぎない。

とはいえ、流石にインターネットでそれをやられると疲れる。ひとつツイートを読むのでも、いちいちこれは本当か嘘か、オリジナルか無断転用か、勘違いか何なのかと確認・判断しなければならない。昔は文章で嘘はつけても、写真は現実を切り取ったものだから信用できる、なんて見方もできなくはなかったけど最近は画像加工が手軽になったのでどれだけ本物っぽい写真でもそれが現実かどうかを知りたければ検証しなくてはならない。最近は更に「テキストツイートのスクリーンショットを捏造するツール」なんてものが出てきてここまで来るとただの嘘吐き合戦である。

ほんに、疲れる。

一体我々はどの情報を信用すればよいのか。ますます、皆が思考・検討する事に疲れて権威主義に陥っていくおそれが増している。「あの人が言っているから本当だろう」「あの人がリツイートしたから真実だろう」、と。その「あの人」も虚偽ツイートに騙されているのかもしれないのに。

余談だが(日記全体が余談のくせに何を今更)、昨今は「匿名の集団オピニオン」というのが権威があるっぽい。2ちゃんねるの同じスレッドに異なるIDで次々と同調コメントが書き込まれたり、ああいうヤツだ。ヤフトピのコメント欄も同様だが、ああいった何人かによる(時には組織だった)印象操作が強力なのは容易に想像がつく。本当は多様な意見があるのに、2ちゃんねるだったらまとめサイトが同調意見だけ抽出したり、ヤフトピだったら特定の傾向の発言がクリックを荒稼ぎしてたり(クリック数が多い発言ほど見易い位置に表示される仕様)。こういった「匿名権威」はもう責任の所在が隠匿されている為騙されているという自覚が皆薄い。私もきっと(今の時点でも)幾つか騙されていてそれに自分が気付いていないかと思うと悔しい。精神衛生上非常に宜しくない。やっていられない。

こうした疲れる状況にあって我々はどう振る舞えばいいのだろうか。究極の答は「ネットを見ない」一択だが、それが選べない心の弱い我々はどうすればいいのだろう? 何だか話が長くなったので(余談なんかするからだよ馬鹿野郎(笑))続きはまた稿をあらためてひとつ。