『Time』で百合男子大歓喜となったパートはやっぱりココだよね。
『大好きな人にフラれて泣くあなたを
慰められるonly oneである幸せよ
だけど抱きしめて言いたかった 好きだと
時を戻す呪文を胸に今日もGo』
王道中の王道ですよね。「私」と「あなた」は唯一無二の親友で、なんだったら幼馴染か何かでずっと前から固い信頼関係で結ばれている。しかし、「あなた」が「私」に感じているのは友情である一方、「私」はいつしか(ここがポイント。テストに出ます!)「あなた」に対して恋愛感情を持つようになってしまった。二人が成長して思春期を迎える頃、異性愛者である「あなた」の方は男子と恋愛をしてくっついたり離れたりな青春を謳歌する。他方「私」は「あなた」への恋心を内に秘めたままで過ごす。告白をしなければ一生親友としてずっと一番近くで傍に居られる訳で、そこには固く約束された未来がある一方、一生「私」は「あなた」に対する恋心を隠し続けなくてはならない。そんなこと本当に耐えられるのか。もし告白をして断られたりしたなら今の親友ポジションすら危うくなり今後傍に居られない可能性すら出てくる。しかも「あなた」は今現在異性愛者として振舞っているのだからますます同性である「私」には告白を受け容れられる未来は見えない。こんな時あなたなら、どうする?(…ここまで息継ぎ無し(笑))
このシチュエーションは百合コンテンツ(百合小説百合漫画百合アニメ百合ドラマ百合映画百合ゲームetc...)に於いては鉄板である。使い古された古典であるといってもいい。現在の百合コンテンツはその基本と伝統を踏まえた上で如何にプロットに個性を出すかを…いやいやそんな話は長くなるから置いておいて兎も角、そういう百合まっしぐらな歌詞をヒカルが書いてくれた事に心から感謝したい所存なのですよやっぱり。
しかし? この伝統的な解釈はそれはそれでいいのですが、『Time』の歌詞の上ではこの前段に例の一節があるんですよね。
『キスとその少しだけ先まで
いったこともあったけど』
これよこれ。親友ポジションなのにキスより先まで行ったのか!それは一体どういうことなんだっ!
百合男子が『Time』を聴いた時に本当に叫びたかったのはここだろう。ここをどう解釈するかで恐らく派閥が出来てしまうのではと…嗚呼、どうなんだろうな……今宵は何だか一気に捲し立てたせいで冷静な判断が下せそうにない気分なので一晩寝かせてから続きを書いてみますかな。取り敢えず(百合男子にとって)フツーの事が書けてよかったぜ。謎の達成感と満足感を感じているのでありましたとさ。