無意識日記々

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『Time』歌詞解釈のバリエーション

『Time』の歌詞の読み方には色々あると思うが、ひとつに、「1番と2番で視点が入れ替わる」というアレンジが考えられる。

1番のBメロ部分の歌詞、

『降り止まない雨に打たれて泣く私を

 あなた以外の誰がいったい笑わせられるの?』

の部分と、2番のBメロ部分の歌詞、

『大好きな人にフラれて泣くあなたを

 慰められるonly oneである幸せよ』

の部分を「同じ事をそれぞれの視点から歌った」のだと解釈するのである。その場合、『降り止まない雨に打たれて泣く』とは「大好きな人にフラれた失恋の痛手から立ち直れない状態」の事を指す。

つまり、冒頭で『カレシにも〜言えないこと』の時点では付き合っていたがその後の時間経過で別れた、という事になる。それはそれで整合的だ。

こう解釈した場合に興味深くなるのが1番と2番のサビの歌詞である。それらはそれぞれ、

1番サビ:

『いつも近過ぎて言えなかった、好きだと

 時を戻す呪文を胸に今日もGo』

2番サビ:

『だけど抱きしめて言いたかった、好きだと

 時を戻す呪文を胸に今日もGo』

なのであるが、これらがそれぞれ別々の視点から歌われているということは、「両片想い」の状態になる訳だ。これは切ない。

そう、実際はこの二人、お互いがお互いに対して恋愛感情を持っている「両想い」の状態なんだけど、どちらもそれを言い出せない。時を戻す呪文を胸に今日もGoなのだ。

恐らく、片方は両性愛者で異性の恋人も居るけれども本命はいちばん傍に居る同性の彼女。もう片方は同性愛者なのだがそれをずっとひた隠している、なんて組み合わせかな。こう読むとまた違った切なさが浮かび上がってくるよね。それぞれがお互いに『好きだ』と言えないまま過ごしてきたという。こう解釈してもいい歌なんだよねぇ。いやはや、なかなかに懐の深い歌詞でありんすな。