無意識日記々

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…不倫中毒?

ヒカルの歌には不倫を思わせるものが多い。近年の最高傑作の一つである(と私が力説しても説得力に欠けることはわかってはいるけれど)『誰にも言わない』に至っては思わせるどころかそれそのものである。他の解釈のしようもないほどだ。

作詞は創作なのだから歌詞は必ずしも作詞者の経験に依拠しなくてよい。推理作家は殺人を犯したことはないし、異世界転生作家は魔法なんて使えない。何であっても想像で書いてしまえばよいのだ。ブラックホールに飛び込んだ事は無くてもブラックホールに飛び込んだらどうなるかを想像想定できるのが人間の英知なのだもの。

ところがヒカルの場合、不倫の歌は経験から書いている。なぜそう言えるかといえば、実際にヒカル本人がそう言っているからだ。

「私は恋人に浮気したことがあるんで」

「分かるかなあ。だから歌になってるんです」

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/04/19/kiji/K20090419Z00002020.html

2009年4月18日のラジオ生放送で喋った話なので全く疑う要素が無い。嘘を吐いていない限り真実だ。こんな嘘を吐く理由が思い当たらないので真実だろうな。

厳密に言えば浮気と不倫は異なる。だが今はその議論はいいだろう。ヒカルさんは実体験に基づいて数々の不倫の歌を書いてきた。そのつもりで聴くと最近の歌は『誰にも言わない』に限らず総て不倫の歌に聞こえてくるから面白い。

『君に夢中』はドラマの印象もあり純愛のイメージが強いが『人生狂わす』ってフレーズが如何にも道ならぬ恋をして足を踏み外している感じが出ていてよい。

『Find Love』は『not gonna park my desire』だ。DirtyなDesireをどこにも定住させる気は無いんだぞ・どんどん移り変わるぞと言っているようにも聞こえる。

『PINK BLOOD』は『あなたの部屋に歩きながら床に何個も落ちる涙』がとてもそれっぽい。第一のパートナーとして認めて貰える可能性なんて殆ど無いのにどうして私はあの人の部屋にまた足繁く通っているのかなぁという自責の念。愛人側からの不倫の歌で間違いないね。

他に『Time』の持つ寝取られ属性とか『嫉妬されるべき人生』の既婚者同士の出会い感なんかもいい。後者なんかダブル不倫だよね。『残り香』なんかこれが不倫の事後の歌でなくてなんだというのか。

そう考えると不倫モノとしてのツッコミどころがなかなかみつからない『One Last Kiss』って曲はヒカルのレパートリーの中ではかなり珍しいのではなかろうか。そういう歌だから息子にMV撮って貰ってもOKだと思えたのかもしれないね。母親の不倫の実体験に基づく歌につける映像を幼い息子に撮らせるとかかなりいい趣味してますもんね。でも、彼が大きくなってくる今後はわからない、かな!? いやぁ、楽しみですね!(?)