無意識日記々

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隠されたギリギリモード

LSAS2022メイキングでの、直前まで声が喪われていた件に続いて、インスタライブでの鼻声疑惑への回答もまた衝撃的な内容だった。のだが、やっぱり口調として他人事とは言わないまでもそこまで深刻なトーンじゃなかったのでふんわり誤解してる人もいるんじゃないかと…文字に起こせば一目瞭然なんだが…。

曰く、『Beautiful World (Da Capo Version)』の収録頃は鼻の調子が1年近くよくなく、結果慢性副鼻腔炎で、歌手を引退しようかとまで悩んだと。一大事過ぎるだろ。本来15年前の(あぁ丁度日付は今日だな)離婚報告くらい深刻なトーンで喋らないとその重みが伝わらないのではないかと思ったが、兎に角そこから回復してくれて心の底から安堵であるわ。まぁ、総てが済んでからの報告なので安堵と言っても仮想的なものなのだが。

『BADモード』の制作中に二度も歌手生命を脅かすような事柄があったのだから、これは本当に命からがらというか命懸けで作り上げた作品だったということが出来るのだけれど、、昔と違ってそれで燃え尽きてお休み貰います的なアナウンスがあった訳ではないからどうしたってその事実が軽んじられてしまう面は否めない。昔は、例えばボヘサマ徳島公演をキャンセルしたり、『Distance』制作後に3週間メッセが途絶えたり、『DEEP RIVER』完成後のプロモーションをキャンセルしたり、『This Is The One』発売週に扁桃腺を患ったりと、外に見えるカタチで容態をリアルタイムに報せてくれていたのだが、今はこうやって事後報告な為どうにもそこらへんの緊張感を共有し切れてない。確かに、昔に較べて遥かに頼もしくなりヒカルパイセンの称号も似合ってはヒカルなのだが、ギリギリのところで作品を生み出している事態は昔と変わっていない訳だ。

もっと言えば、そういった報告なり露出なりを減らし始めたのは2013年なので(2012年までは人間活動期であっても結構頻繁にツイートがあった)、それは結局メディアへの不信感と我々大衆への恐怖が原因となっていると推察され、ある意味昔より事態が悪化しているとすらいえる。

例えば「少年非行犯罪は最近増えていると思いますが?」というアンケートに対して半数以上が「増えていると思う」と答えても実際の統計をみれば激減している、みたいなケースに顕著なように、ひとのもつイメージは実態ではなく報道などの情報によって形成される。そして、御覧のように実態と情報はしばしば乖離する。ヒカルに関しても、新作が絶好調でもそれは幾多のBADモードをギリギリ切り抜けてきて得た崖っぷちの成果であって余裕綽々でもなんでもないのだが、そこのところを絞られた情報から実感していくのはかなり難しいものだなと反省しているところなのですわ今の私は。ちゃんとみていかないといけないねぇ…。