無意識日記々

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なぜマルセイユだったの?

前回時点では読めてなかったのだけど、インタビュー記事あったのね。カルティエさんありがとありがと。ヒカルの玉音文字起こし、大変美味しくござりまする。

ところが、気になる記述が。

この問答。

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「今回のムービーで『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』を選んだ理由をお聞かせ下さい。」

『「一つ」でもあり「三つ」でもあり、様々な表情を見せる古のなぞなぞのような魅力を持つ「トリニティ」に、新たに注入された「緊張」と「調和」が均衡する阿部千登勢さんのモダンな美学。そこに、有機物のように変化し続ける電子音とともに、近くて遠い場所に思いを馳せながら絶えず膨張する宇宙と一体化していくように展開するこの長編のクールさと切実さを添えたいと思い選びました。』

https://cartier-trinity.jp/interview2/

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え、何、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』は、「今回のムービーの為に」「ヒカルが選んだ」の? え、そうなの?

もしかしたらよくあるテレビ的な演出なのかもしれないが(レストランのメニューを自分で選んだようにみせておいて実は台本通りとかね)、これだけ「クリエイティブ」を前面に出したサイトのインタビューで、演出の決定権の記述に嘘があるとは思えない(思いたくない?)のよね。

だったら、ヒカルが『ぼくはくま』で行きましょう、って提案してたらあのトリニティのムービーの音楽、『けんかはやだよ♪』になってたの? え、そうなの?

違うよねぇ。みんなで相談して「次はマルセイユで行きましょう」ってなったんだよね? 最早アルバム『BADモード』でタイアップのついてない曲は殆ど残ってないのだから、レコード会社からは「次はこの曲を推したい」って言ってくるでしょ。ぶっちゃけ、他の曲を選びようがない。いや、選ぶだけなら、既にタイアップのある曲を敢えて、でもいい筈だ。今までだってダブルタイアップとかあったんだもんね。そこにマルセイユなんだから、プロモーション的意図が皆無だったとも考えづらい。

ただ、ヒカルの言ってる「モダンな美学を新しく注入されたトリニティにこの曲のクールさと切実さを添えたかった」という理由は非常に納得のいくものなので、うーん、じゃあやっぱりヒカルが選んだってことでいいのかなとも思うし。混乱してます私。

ここらへん、経緯が微妙なのかもしれないね。大枠でコラボレーションが決まっていて、映像を作る方が「あと残ってる曲はマルセイユか。じゃあそれに沿ったものを作ればいいかな?」と“忖度”してこういう風になったのかもしれない。ディレクターは『二時間だけのバカンス』も手掛けた児玉裕一氏だというしそれくらいの読みはするだろう。

うーむ、出来たモノは素晴らしいのだから、その制作経緯で煙に巻くようなことはしないで貰いたいのじゃが。どういう手順で楽曲の起用と映像の制作、ヒカルの出演が決まったのか、時系列に沿って説明しといて欲しいよ。ヒカルのインタビューの文章からすると、これは大分編集されてる感触もあるので、はてさてどう心得たらいいものか戸惑い中なのでありましたとさ。発言内容自体はいつも通りなので安心したけどね。