そうそう、ニューライブEPのタイトルは
『40代はいろいろ -Live from Metropolis Studios』
なんだよね。宇多田ヒカルのシングル(盤)で曲タイトル以外が冠されるのはこれが初めてになるわな。メトロポリス・スタジオはロンドンにあるレコーディング・スペースで、ここで録音されたと思しきライブ・アルバムなんかもあったり…てな話はググればすぐ出てくるから省略するとして。これ、シングル盤なのに曲タイトルがタイトルではないの、どういうことなんだろうね?
ひとつには、元々は3曲入りEPにするつもりだったから、というのがあるかな。御存知の通りバッドバニーの“Me Porto Bonito”が収録できなかったからね。それで2曲入りライブEPっていう些か変則的なリリース形態に落ち着いた、と。で今更タイトルを変えることもねーなと。ギリギリまで交渉してたのかもしれないねぇ。その名残ということで。
もうひとつは、シングル盤としてリリースするとするとタイトルが『First Love Live 2023』になってしまうこと。『Rule(君に夢中)』の方は新曲なのか何なのかわかりづらい名前だし、どうしてもリード・トラックは『First Love - Live 2023』になってしまうのだけど、しかし宇多田ヒカルはつい先日『First Love 2022うんちゃらかんちゃら』をリリースしたばかりなわけですよ。そこから舌の根も乾かぬうちに今度は2023ですかとなると余りにもトゥーマッチ。見出しだけでもそこは抑え気味にしとこうと思ったんじゃないかな。
そんな看板の話とは別に、ここでサブスクに新しい『First Love』を投入出来るのはデカいぜ。『40代はいろいろ♫』本編は平日夜の生配信で8万人のアクセスだったようだけど、サブスクで宇多田ヒカルの“ニューシングル”にアクセスしてくる人数はその比ではないわけでね。ここで初めてニューアレンジに触れる人が大半を占める事になる。
流石についこの間ドラマの瞬発力でチャートを席巻したばかりだからこのライブテイクも大ヒット!とはならないかもしれないけれど、今回『First Love』に初めて触れた若いファンに「今の『First Love』はこうなんですよ」と伝えられるのは大きい。もっとも、このアレンジは長年のファンにとっても初めてのものだったので立場としては新旧どちらのリスナーもあんまり変わんないんだけどねっ。
ほんに大英断ですよ『40代はいろいろ♫』ライブのサブスク化は。勿論、数は少ないだろうがダウンロード販売もあるだろうし、こちらではヒカルさんストリーミング以上に強いからランクインしてくる可能性もある。あたしも各機器で聴くために買っちゃうしね。
まぁでも、何が凄いって、こうやって商品として市場に出す音源が衆人環視の元で一発録りされたってこと! ヒカルのパフォーマンスがよくなければリリースなんて出来なかったろう。「これだったらリリースしても大丈夫じゃね?」って自身でゴーサイン出せたのは大きいっすよ。多分我々より合格ラインがシビアだろうからね。いやはや、あと10日余り、ほんにリリースが待ち遠しいですなぁ。