無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

揺らめいてヒカル

ヒカルさんの「顧客に阿り過ぎない、媚びない距離感」が心地好くてねぇ。

いやね、あたし自身は結構義理人情に篤い話が好きだったりする方で。「ONE PIECE」の泣かせる話とか大好物だったりするのだけど、じゃあ自分がそのタイプかというと全然そうじゃあなくってだね。どちらかというとドライというか、「ほどほどの距離感」を好む方でして。近過ぎるのがイヤ、とかでもなく、一切連絡をしたくないと断絶を選ぶこともなければ、同化を目指してどこまでも接近したいとか、そういう少し極端なモーメンタムに馴染めないというか…わかるかな?(笑) まぁそれはいいんだけど。

そんな自分にとって宇多田のヒカルさんはほんとに居心地がいい。「今度○○の話をするから!」的な事を書いて放置しっぱなしになった回数なんかは…多くはないけど何度かはあり。言ったことは必ず遂行する!とかそんな感じでもない。一定のゆるさがいつもあると言いますか。

一方で、ここだけは譲れん!という所は頑固を通り越してもう絶対だったりする。「来たメールは全部自分で読む」とか「2万枚以上の塗り絵総てをこの目で審査する」とか言ったのあれ全部実践しとるからね。見たわけじゃないけど。「来たメール」って1日700通とかだからね。読んでも一銭にもならないどころか不快なこと書いて寄越すヤツなんぞ幾らでも居る中で、だからね。

その、「ここだけは外さない」ってとこと「案外だらしない」とこのバランスが絶妙でな。自分の新曲の宣伝がリリースから3週間後だったりとかも含めて。

どうしてもこう、常に暑苦しい重た苦しい関係性…これだけのモノを貰ったんだからこっちもそれだけのモノを返さなくちゃとか─そういうのって理想的で私も傍から見てる分には絶賛するんだけどねそういうファンとミュージシャンの関係って─、そんな「強い絆」には留まらない感じ…ゆるくなったりきつくなったりするんだけど、千切れる事だけは無さそうな、そういう距離感…これなかなかアーティスト側は自分にある程度の自信と謙遜が無いと無理な話で。自信と謙遜って矛盾な感じが強いけどそれを共存させてこそなのよね。だから難しい。それを宇多田のヒカルさんは自然体でやってる。だから凄い。

もしかしたら仁義に篤いクラスタからはヒカルさんは何となく薄情?に映ってるかもしれない。確かに全国ツアーの回数を持ち出されたらこちらも反論出来ない。そうこうしてるうちに亡くなったファンも何人も居るわけだから。でも、こちらとしては、最良の距離感なんだと思うんですよ。こう、自分の人生を歩ませてくれる程度ののめり込み具合にさせてくれるというか。いや君に夢中なのはもうずっとなんですけどね、でもね、居なかったら死ぬとかじゃない訳なのよ。10年くらい休まれてもマイペースで待ってるよん、て言える…こんな日記を書いてる私がいつもそう思えてるんだから、ものっそい手練手管だと思うのよそこらへん。インターバルが不定期だろうがなんだろうがその割にファンの離れ方が少なめなのは、そこらへんの絶妙さ加減に秘訣があるんじゃあないでしょうかね。