無意識日記々

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世界ツアーについて歯切れの悪いお話

稿を改めて、と書いたからには触れておくか。日本語圏では当然日本列島での全国ツアーを期待しているが、ヒカルさんは日本列島外にも沢山のファンを抱えている。88risingの焚きつけ方をみるに、特にアジア圏では「J-pop レジェンド」みたいな扱い方もされているのだろう。そりゃワールドツアーも視野に入るってもんよ。

13年前の『Utada In The Flesh 2010』は、基本的には「英米ツアー」であった。オープニングがハワイ、クロージングがイギリスロンドンではあったものの殆どがアメリカ本土での公演で、しかもライブハウス/クラブツアーだった。2000人近く入る会場もあったとはいえ。

アイランド・レーベルからデビューして2枚目のアルバムのプロモーション・ツアーとしては至極妥当な規模だったのだが、今はもう色々と状況が変わった。当時からアジアでの知名度は高かったようだが、徐々に英米欧での知名度も上がっているっぽい。

ここでどれくらいの規模のツアーをすればいいのか? 前回が13年前となると流石に直接は参考にしづらい。ファンの世代交代もあるだろう。かといって何の前触れもなくいきなりフルサイズの世界興行でリスキーなスケジュールを組むわけにもいかず。

例えば世界中で成功しているBABYMETALなんかは、メタルシーンという確固とした「踏み台」があった。各地のメタルフェスに出演し、様々な有名アーティストのオープニング・アクトを務めたりして(レディ・ガガみたいに直接メタルではないジャンルも含めてね)、「自身の名前を冠しないコンサート」を数々クリアしていくことによって知名度を高めていったし、興行主も直に観客の反応をみることで、次第に本人達がヘッドライナーを務める公演へと繋げていった。今年も3000~15000人クラスのホール・アリーナツアーでソールドアウトを連発しているとか。極めて順調である。(本人達は苦労の連続だろうけどね…) リスクを極力抑えながら段階を踏む事が出来たのだ。

宇多田ヒカルでそういうことができるかというとどうなんだろう?というときに88risingから声がかかりコーチェラへの出演が実現した。だが、つまりはまだこのワンステージのみなのだ。まだまだ各地での反応を観足りていない。

となると、目下予想できるのは、ひとまず日本での全国ツアーを経てから、海外で更なるフェス出演を重ねて「一旦様子見」をするのがセオリーになるのかなぁとは思う。堅実にまたライブハウスツアーに赴くというのもひとつの手だけど、キャパが小さすぎて観れない人達の不満が募るのもよくない。なかなかに悩みどころだろう。

それに、ヒカルもコーチェラに出演して「フェスのカオスっぷり」を体験したようだし、それによってフェス出演に慎重になる面もあるかもしれない。

このように、様々な要素が絡んできてなかなか話の的が絞れないのが現在の「宇多田ヒカルのワールドツアー」という話題なのだった。

そういったあれやこれやを踏まえると本来ならまず先に日本のフェスに出演を、となるのだけど、これもどうだかねぇ。

いずれにせよ子育てのこともあるので、日本全国ツアーもワールドツアーも、そこまで長期間のものは組めまい。ダヌくんが寄宿舎に入る年齢にでもなったら別だけど。

13年前はLIVE NATIONが取り仕切ってくれたようだけど、今ならどこになるのかな。それもまた響いてくる。昨今の動きから中国進出も念頭にありそうだし、ほんにこの話題は複雑怪奇だわ。結局は「ヒカルがどうしたいか」で決まるんかな。「わからないことだらけで予想の立てようもない」が、今回の結論で御座います。