無意識日記々

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公演がツアーかどうかで歌メロが変わるとな??

「コンサートツアーとスペシャルライブではヒカルの選曲やアレンジが各々変わるのではないか?」という話をしようかなと。

ここでいうコンサートツアーというのは『Bohemian Summer 2000』『UTADA UNITED 2006』『Utada In The Flesh 2010』『Laughter in the Dark Tour 2018』のことで、スペシャルライブというのは『MTV UNPLUGGED』『ヒカルの5』『WILD LIFE』などのことだ。つまり、多くの会場を1~2ヶ月程かけて回ってコンサートをするか、一箇所で1回限り或いは2回とか5回とかの公演を行う、とかそういう違い。その分類だと大阪と東京で1回ずつ公演した『LUV LIVE』なんかはどうなるんだ?とも思うがまぁそれはさて置く。

対比がわかりやすいのは2010年の二つだ。『Utada In The Flesh 2010』では約1ヶ月掛けてホノルルからロンドンまで地球を半周して10公演を行った一方、『WILD LIFE』は横浜アリーナ一箇所で2公演だった。

最初、ホノルルで『SAKURA ドロップス』や『Stay Gold』なんかを聴いて「ヒカルもペース配分を考えるようになったんだなぁ」と感慨深かった。その前の『UTADA UNITED 2006』では、後に自らを『行き先不明の暴走トレイン』と名付けただけあって無鉄砲な全力パフォーマンスを繰り返し喉を壊して手術寸前まで行くという自分を追い詰めるようなことをしていた。その時に自分のスタミナの限界を見極めたのだろうか、『Utada In The Flesh 2010』では無茶をせす、ここぞという所で力を込める歌い方にシフトしていた。その『SAKURAドロップス』では、低く歌う部分でスタミナをセーブしつつ、「高音が出せなくなった訳ではないよ」とちゃんと要所でコントラストをつけていた。

喉で音を出す時、高い音であればあるほどエネルギーを余計に使う。図式的ににいえば、ドとレのエネルギー差よりレとミのエネルギー差の方が大きい。なので、高い音を一音出さないことにするだけで低い音を何音も出せるエネルギーがセーブできる。(かなり雑に書いてるのでそのまま鵜呑みにしないでね)

なので、高音を出す箇所を絞る事で1ヶ月間のスタミナ配分を考えているのだなとその時初日公演で既に感じ取られていた訳だ。『In The Flesh』のヒカルは、スタミナ配分によってメロディのアレンジを変えていた。

一方『WILD LIFE』。こちらで最も印象に残ったパフォーマンスのひとつに『BLUE』がある。事前には、まさかこの曲がライブで歌われるとは思っていなかった。あんなに高音を連発する歌を歌ってしまったら一気に喉が疲弊してしまうから2時間のライブでは無理だろうと。しかしヒカルは見事に歌い切った。『WILD LIFE』のDVD/Blu-rayで聴けるあのパフォーマンスは全くの無修正である。いやはや、実際に目の当たり(耳のあたり?)にした時の驚愕と感動と余計な心配といったらなかったよ。その後もヒカルは何食わぬ顔で(とはちょっと違うかもだけど)2日間50曲近い曲数を歌い切ったのだった。

後から考えると、あれはもしかしたら「コンサートが2日間しかなかったから」歌えたのかもしれないなと。1ヶ月とか2ヶ月ののペース配分を考えた場合ならそもそも選曲しなかったろうと。つまり、『BLUE』が聴けたのはスペシャルライブだったからこそなのだろうかなと。

そういった事を考えると、我々が現在待ち望んでいる次のライブコンサートが、1ヶ月とか2ヶ月のツアーなのか、或いは一箇所でのスペシャルライブなのかというのは、移動や宿泊や休暇取得といった実際上の悩みに加えて、「どんな曲が聴けるか」という点においても、ひとつかなり注目に値するチョイスになりそうなのです。

確かに、実際には『生で宇多田ヒカルが観れるんならどんな曲でも!』というのが恐らく大半の意見なのだろうけれど、例えば

スペシャルライブなら『First Love』を原曲キーで歌うけど、ツアーで歌うならキーを下げます。」

とかになるとしたら「なんだって?」と引っ掛かる人って、結構多いんじゃないかな? 今や伝説となった超名曲、せっかく生で聴けるんなら慣れ親しんだ原曲キーで聴きたい!だなんてのは結構自然に思うことなんではなかろうか。今後そこらへんもちょっと注目していきたいかなと思ってる訳ですよっと。

なお私個人は、原曲キーへの思い入れがないからライブでキーを下げるのに全く抵抗がない、どころか、そもそもキーを下げて歌われた事自体に気がつけた例しがないんだよね。絶対音感から最も縁遠い、ある意味「幸せな耳の持ち主」なのかもしれないわ。なので、ヒカルもスタミナとか体質の変化とかに合わせて、好きな選曲、好きなキー&好きなメロディで心地良く歌ってくれたらなと思ってますですよ、えぇ。