無意識日記々

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Electricityでくわばらくわばら


急に、急に昨夜22時に宇多田ヒカル初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』収録最後の新曲の曲名が発表になった。あらゆる新曲情報の中で真っ先に曲名のみ公開って今まであったか!? なんちゅう奇襲やねん。見事に電撃的な発表となったその名もまさに『Electricity』! 「電気」!


単純に、今日明日でベスト盤発売5週前を迎えるからだろう。CDはここで一旦生産数が決定される。つまり、ここまでで予約した人はかなり確実に発売日に現品を手に入れる事が出来るという訳だ。ツアーのシリアル応募も余裕で間に合うのでご安心を。つまり、ここでベスト盤情報を出して耳目を引いて更なる予約を促すということか。来週のツアー二月応募分当落発表で更に買い増しが発生するだろうし、宇多田ヒカルデビュー25周年企画、いよいよまずはベスト盤プロモーション体制に入ってきたということだろう。


にしても、『Electricity』か。予想だにしなかったタイトルだねぇ。「最後の新曲名、もしやベスト盤のタイトルトラックにしてくるのでは⁉︎」というこちらの予想は見事に外れた。意味は「電気」なのだが、goo辞書を引くと「強烈な興奮,感情の高まり」ともある。さっきも言った「電撃的な感情」といったところか。ポピュラー・ミュージックの歌詞なら「電気」より「興奮」だろう、と推理するのが順当だが、『HEART STATION』という放送局を連想するタイトルで『心の電波届いてますか?』と歌った人なので、電気がそのまま歌詞に出てくる事も有り得るなぁ。


一方で、歌詞ではなくサウンド形態としての連想を“Electricity"という単語から抱いた方も多いみたいで。だがここで注意が必要なのは、(Twitterでも書いたんだけどうっかりリプライにしたから読んでない人も多いだろうんでもう一度書くのですが)“Electricity"は"Electronicity"とは別物だということた。アルファベットで書くとわかりづれぇな、「エレクトリシティ」は「エレクトロテニシティ」とは別…うわ、ほんまオーストリアとオーストラリアみたいで紛らわしいわ。「エレクトリック」と「エレクトロン」まで解体すれば少し明確になるか、前者が「電気」、後者が「電子」なのです。


その2つがどう違うかとかの細かい説明はすっ飛ばすけど、「エレクトリック・ミュージック」と「エレクトロニック・ミュージック」が別物だと踏まえてくれればそれでいい。前者は(総てではないものの)総じて「エレクトリック・ギターを使った音楽」を指し、後者は「シンセサイザーを使った音楽」を指す。エレキはギャンギャン、エレクトロはピコピコって感じですかね。


ジャンル分け不要の宇多田ヒカルの音楽を形容する際、特になかでも『EXODUS』と『BADモード』については「エレクトロニカ」というジャンル名が援用される事が多いが、こちらは電子、エレクトロンの方から派生した用語であって、今回のエレクトリックなElectrictyの方ではないのは注意が必要だ。


もちろん、現時点では新曲『Electricity』がエレクトロニカな音楽性である可能性は全く否定はされない。寧ろ『Gold〜』から『AFoNoCo』の流れを考えるとそうなってる可能性が一番高い。だが、曲タイトルから連想されるニュアンスとしては、強烈な興奮とか、ギャンギャン鳴るギターサウンドとか、そっちの方を連想させるという事は先に付言しておきたくてな。


なんだかややこしいことを言ってるけれど、ぶっちゃけ結果としてジャンルレスとなっている宇多田ヒカルの音楽で曲タイトルがジャンルに縛られる筈もないので、今はシンプルに言葉の感触で曲調を想像しておけばいいだけでな。ただ、そもそも他の単語と勘違いしていたとしたらそのイマジネーションも違う方向に行ってしまうかもねってことで。もっとも、ヒカルのことだから「そういう誤解もある程度生じるであろうこと」を見越した上でネーミングしてるかもしれんがね! くわばらくわばら、なのであった。(←…これ、雷の電撃を避けるためのおまじないなのよぅ)