無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Prisoners Of Live

Prisoner Of Loveの重要性については改めて語る事はない。SC2の曲順が逆時系列になったのはこの曲を1曲目にする為だった、というと言い過ぎなのだがそう言いたくなる位宇多田ヒカル最初の10年を締めくくるに相応しい曲だと認識している。

タイトルをFlavor Of Lifeと対応させたことからもわかる通り、この曲はあらゆる点で"狙った"曲である。リズムにしろメロディにしろヒカルの最も得意とする作風。しかし、ナマで唄うのはあまりにキツい。当時テレビの生放送で番組名を間違える位に眠い眼を擦りながら唄ったものもまだまだだったし、Wild Lifeのバージョンも、随分よくなったとはいえまだまだである。

今、物凄く高いレベルで不満を言っている事を強調しておかなくてはなるまい。日本語で唄われている事もあって、果たして"この曲をそのレベルで歌える人間は存在するのか?"と問わなければならない。勿論、しっかり系統的な訓練を積んだ歌手なら技巧的には可能(というか、訳もない)だろうが、この、作曲者ならではの勘所の押さえ具合をシミュレートできるかというとわからない。シミュレートといってる時点で後塵を拝しているし。

生ストリングスをフィーチャしているだけあって、サウンドプロダクションは見事なものだ。アクリル板ぐっちょぶ。ならばQuiet Versionの披露も可能だったのでは、と勿論思ったがあのバージョンとなるとその難易度の高い歌唱を超えて更に楽曲という生命体が押し寄せてくるのだからまだまだそこには到達できないと思う。

こう概観すると、まだまだこの曲にまつわる歴史は道半ばなのだなという感慨を強くもつ。FINAL DISTANCEがUnpluggedというそれなりの場を与えられたように、Prisoner Of Loveにもそれなりの場面が今後与えられるのではないか。それが通常のライブコンサートのフォーマットかどうかはわからないが。

逆に、今がこの段階だったからこの曲はちょうどココに収まった、ということが出来る。まだまだこの日のハイライトはFlavor Of Lifeの方だっからね。順番々々。