無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

渾身と渾名って同じ漢字なんだね

「Kuma Power Hour」の韻の踏み方についてもう少し具体的に。

「くま・ぱわー・あわー」と3語の語尾が総て"a"で揃えられているのはすぐにわかるかと思う。しかし、そこで留まっていてはいけない。

後ろの2語の語尾は「わー」と、母音"a"だけでなく子音"w"も同じである。今は平仮名で書いてるから同じ「わー」になっててすぐにわかるけど元は"power"と"hour"だからな。

で、だ。"w"という子音は少々特殊で、子音でありながら"二重母音"というものを構成する。一つの音を母音2つの組み合わせで発音するのだ。ひらがなで書いてみよう。"w"の音をもつひらがなは「わゐうゑを」である。「wa-wi-wu-we-wo」ね。これを母音2つの組み合わせで書くと「うぁ・うぃ・うぅ・うぇ・うぉ」となる。つまり、日本語のわ行の音というのは「う」+「ぁぃぅぇぉ」という2つの母音で出来ているのだ。

同様に"y"の音、即ち「やゆよ」も「いぁ・いぅ・いぉ」つまり「い」+「ぁぃぅぇぉ」の二重母音である。


ここまで書けば私が何を言いたいかは明らかだろう。
「くま・ぱわー・あわー」というのは、大袈裟に書けば「くぅまぁ・ぱうぁー・あうぁー」であり、つまりこれは3語とも語尾の母2つが「うぁー」で揃えられているのだ。「ぱわー」の「ぱ」や「あわー」の「あ」に惑わされてはいけないのである。


この韻の踏み方を踏襲して、「Kuma Power Hour with Utada Hikaru」冒頭に流れるヒカル渾身のジングルは構成されている。発音をよくよく聞けば大袈裟に「くぅま〜・ぱぅわ〜・あぅわ〜」と言っているのが聞き取れるだろう。この韻によって生まれるリズム感がポイントである。

そのリズムを引き継いで「76.1 InterFM」を挟んで「with Utada Hikaru」となる。これによって「くぅま・ぱぅわ・あぅわ・うた〜だ」の流れが完成する。「Utada」の母音も、みてのとおり「う-あ-あ」の形なのだ。

それを強調するためのディレイド・エコーもまた凝っている。もしかしたらこれエコーをかけながら左右にパンさせてないか? そういう所にも全力で仕掛けをしてきそうだからヒカルは油断ならない。「渾身のオープニング・テーマ」と自負するだけの事はあるな。


…という感じで、冒頭の「Kuma Power Hour 76.1 InterFM with Utada Hikaru」のジングルをもう一度聴き直してみては如何だろうか。多分、そのまままたAtoms For Peaceを聴いて…気が付いたら1時間経っていた、なんて事になるんじゃないかな。何度聴いてもいいもんだねぇこの番組ってばよ。