無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

今年もあと3ヶ月か。

先週は浜崎あゆみの新譜が初週1万5千枚しか売れなかったと話題になっていた。私はそのコンテンツがどんな位置付けか知らない為枚数の多寡を評価する立場にないが、それはつまり、アーティストの知名度が高すぎると、"ささやかなリリース"というものがなかなかに難しい事を意味している、とは受け取れる。出す方はコアなファン向けだと思っていたとしても、マスメディアがそう受け取ってくれるかどうかはわからない。後は料理のされ方に委ねるしかない。

ならば In The Flesh 2010 footage を今の時期にリリースするのは危なっかしい。先月のゴシップなんぞもうみんな忘れているだろうが、宇多田ヒカルの名前を目にした場合にはまずその事を思い出してしまうだろう。その時、売上枚数が少なければ微妙な空気が流れる事請け合いである。ただ、救いはあって、これは映像作品だからたとえチャートの話になったとしてもDVD部門であるからそこまでのニュース性はない。こんな今でも、取り上げられるのはアルバムチャートとシングルチャートなのだ。世の中のパッケージコンテンツの主力はとっくにDVDに移ってるんだけどね。

桜流しの時は、CDをそもそも出さないという手を使った。思いもよらない、とまではいかないまでも秀逸なアイデアだったと思う。DVDチャートの話なんか殆ど取り上げられない。ただ、照實さんがその事について訊かれたのだが、CDを発売しなかった事について、「(なぜだか)わからない。EMIに訊いてくれ」という趣旨の発言をしていた。前に「何で宇多田ヒカルだけTVでフルコーラス歌えるの?」という質問に対しても「わからない」と惚けていた人なのでどこまで字のまま解釈していいかはわからないが、彼は案外そういった「マスメディア経由の印象」に疎い面もあるのかもしれない。

そこらへんの感覚がハッキリしているのは、普段まとめサイト巡りを欠かさない梶さんだが、未だに彼の側からITF10に関するコメントはない。法的な問題がクリアされたとしても、もしかしたらユニバーサル傘下EMIレーベルからのリリースとしては、もう一悶着あるのかもしれない。幾らなんでもU3に丸投げってことはないだろう。

後はもう、レコード会社が今回のリリースをどう捉えるか、だろう。私の勘では、たった今ITF10のDVD&BDを発売したとしても8000枚行くか行かないかだと思う。そのあゆの新譜とやらの半分位である。宣伝したら必ず赤字だろう。なるべくひっそり、コアなファンに向けてだけリリースするのがベターだとは思うのだがそうすると円盤化自体を断念するのが合理的となる。ここらへんは難しい。もう少し、物事の推移を見守るしかないだろう。