無意識日記々

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桜流しの凄みと重みの個人的見解

人間活動が2年になるか5年になるか、当人もわからないままそろそろ3年が経過しようとしているが、1年前に産み落とされた"桜流し"という爆弾のせいで、その"待ち方"が大きく変わった。もしまっさらな新人がこの曲を書いていたら完全に私は宇多田ヒカルからその彼女に"浮気"していただろう。同一人物で本当に助かった。

この曲をどれ位評価しているかといえば、レッド・ツェッペリンの“天国への階段”と聴き比べて「…まだちょっとかなわないかな…」と呟く程のものである。もし生きていたら、カラヤン桜流しを聴かせて感想を訊いてみたいものだ。(註:彼は天国への階段を聴いて(或いは楽譜を見て)「この曲のアレンジで直すべき所は1つもない」と言ったそうな。ほんまかいな。)

桜流しの欠点といえば、何よりもそのダントツな音の悪さだ。なんでこんなに低音が濁ってるんだ。べろんべろんである。早々にリマスターバージョンか、いっそのことライブ・レコーディング・バージョンを聴いてみたいものだ。まぁこの愚痴は散々書いた気がするのでこれ以上蒸し返さない。

あとは、構成がちょっとわかりにくい所か。「サビはどこだ」と二言目に訊く日本人リスナーは完全に病気だと思うが、実際日本人の殆どはサビ探しに夢中なので、現代日本現代日本語を駆使して歌うのならばリスナーのそういった側面にも配慮すべきではなかったか。ったく、それなら天国への階段のサビはどこなのか言ってみろっつーの…(ブツブツ)…

あとは、やはりドラマーの力量不足だろうか。いや、別に下手だと叩いている訳じゃない。何しろ、私はこの曲を「天国への階段」基準で評価しているのだから、その真意は「ジョン・ボーナムと較べて」である。彼と比較すれば世界中のほぼ総てのドラマーが力量不足だ。バディ・リッチでも連れてくるしかない。最低でも、ジョン・セオドアクラスに叩いて欲しかった。いや、実は巧いんだけどこの程度にしておいてとHikaruが指示を出したのかもしれないので叩いている人に責任はない。ただ、ドラムをフィーチャーするのであれば、そういった点も視野に入れて欲しかったなと。

うーん、気の早い話だが、Hikaruは自分の楽曲がちゃんと「アルバム」の形でアクセス出来るように設えたいという意向が強い筈だから、桜流しも何らかの形でアルバムに再収録されるだろう。であるならば、バンドメンバーを一新して新たにレコーディングとミックスをやり直してみてはどうか。無理があるかなー。楽曲の素晴らしさは群を抜いているので、あとはサウンドと演奏のブラッシュ・アップが出来れば最高なんだけど。


それにしても、もし桜流しが今後何らかの形でアルバムに収録されるとしたらこれは相当なプレッシャーである。作曲家Utada Hikaruにとって。作品としてちゃんとバランスを取る為には、この桜流しに伍せる楽曲を後2,3曲は用意しないといけないだろう。これはキツい。相当キツい。人気活動中の現在は、このテーマについて頭を悩ますべきではないだろうな。うんうん。

しかし、過去を振り返ってみても「FINAL DISTANCEみたいな凄い楽曲作っといてあれ3rdアルバムに収録して大丈夫か?EPのみの方がええんとちゃうの?」と心配した時もきっちり"Deep River"という素晴らしい楽曲で出迎えてくれた人だったりするので、今度もまたやってくれるかもしれない。折角なので、期待して待っておく事にしよう。相変わらず、それがいつの事になるのかわからないけれどね…。