無意識日記々

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食飾ショック

駅地下デパ地下なんぞを歩いていると、ショッピングモール・フードコートの多彩さに唖然とさせられる。本当、日本の首都圏ほど食文化が豊かな地域はないのではないかという位に古今東西のお店が並んでいる北中南米の料理、アジアや中東、北南欧の料理、勿論日本料理や中華料理もある。多彩になると特化した店も出されるようになる。だからってバウムクーヘンの専門店が連続して並んでるとか凄いよね。世の中の人たちってそんなにバウム食べてるの? 大坪プロ社長が買い占めてんじゃないの??

その食文化のド派手さに負けず劣らずというか凌駕しているのが服飾店だ。デパートや駅ビルで最も売り場面積が広いのはそちら。女性にとってはお買い物といえば服飾だ。そりゃもう気合いが違いますって。メタルTシャツで済まして生きている私とは無縁の世界。

食も飾も(今回は省いたが色も)、確かに生きていく為に必要不可欠なものだから、それなりに皆購入するというのはわかるのだが、そこまで多様性がある必要があるのかといえば勿論NOで、日本人というのは庶民が随分食文化や飾文化を謳歌している民族であるなぁと痛感する。


一方、音楽文化、音文化はどうか。今やショッピングモールでは端っこの方に1店舗CDショップと楽器店がある程度。そこも人はあんまり居ない。配信で買えるんだからと言おうとしても、配信市場が伸びている話は聞かない。いやいや、そんなレベルの話じゃないでしょ。

食や飾に関しては隆盛を極めているこの国でも、音文化の割合はそんなもんだ。「そんなもんだよね。」と頷かれる事を承知で敢えて言うと、もしかしたらもっと豊かになれるんじゃないのと思う。

CDショップが一軒だけなんて寂しい。そりゃあ西新宿にでも行けば沢山の(随分減ったけど)店舗が待ち構えているが、そういう事じゃなく、駅前駅ナカ商店街に和食屋中華屋洋食屋と居並んでいるように、ロック専門店、クラシック専門店、ジャズ専門店、アニソン専門店、、、という風に、各ジャンル毎にお店が並んでるくらいの規模で音楽が聴かれている文化があってもいいんじゃないかと。特定の地域がそうなっている、というのではなく、どこの街にも吉野家マクドナルドがあるように、音楽を売る店がたくさん…


…言っててちょっと虚しい(笑)。兎に角、現状はそうなってはいないが、しかし、その割にイヤフォンつけてる人って結構多いんだよね。本を読んでる人、ゲームしてる人、メッセージ打ってる人に較べて少ないとも思えない。需要が無い訳じゃなくって、何かどこかボタンを掛け違って街中からCDショップが消えてしまったんじゃないかと、そう思う。

そういう感情モードの時に、「宇多田ヒカル店舗予約特典企画」と銘打って試聴会参加者募集してくれる話をきくと、「おぉ〜、是非盛り上がって欲しいねぇ」としみじみ思えてくる。あの特設ページにずらりと居並んだ店舗名リスト。凄い数に見えるが、実はあれで"日本に存在するCDショップ全部"のうちのかなりの割合(多分、半分近く)の名前が挙がっているのだ。一億二千万人も人口が居るこの国の。そう考えると、うら寂しい。コンビニなんて万単位で存在するのにね。そういった、"風前の灯火"となった「街のCD屋さん」を元気づける今回の企画は、成功を願わずには居られない。

しかし、、、やっぱり冷静に考えると、色々と無理があるかなぁとも思う。その理由をつらつらと書いてみたいが、取り敢えず、ラインナップの発表まで待ってみよう。もしかしたら、「嗚呼それなら先行試聴会行きたいかも」と皆が思えるような面子と選曲、コンセプトなのかもしれないのだからね。