無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

つけこむというとあざといけれど

CDシングルが果たしてリリースされるか、はオールド・ファンにとってヒカル復帰時の関心のひとつだと思うが、現実としておまけ(食玩なみにどっちが主役かわからないヤツ)のついてないCDシングルを買う層は演歌のカセットテープを買う層と厚さの上で大差なくなってきているのが現状で、確かに今CDシングルをリリースしてもFL15の売上累計程度の枚数しか出ないのではないか。

そんな中、おまけに頼らずにCDシングルを確実に売る方法はないかと考えたら、「ライブ会場限定販売」が思い浮かんだ。「GLAYは新曲のCDシングル全国分の初動一週間売上枚数以上の人数を一晩で集める事ができる」と何度か書いてきたが、ベテランになってくると新曲に関心はなくてもライブに来てくれる人は沢山居る訳だ。

ヒカルの場合、すぐには無理かもしれないが、全国ツアーをすれば20万人くらいの動員は可能ではないか。そこにツアー限定のCDシングルが関連グッズと共に売られていたらこれは数万枚単位で売れる気がする。特に、現実にはそんなタイミングは有り得ないかもしれないが、その新曲をライブで初披露ともなれば、終演後の購入者続出だろう。

と、かなり"都合のいい"仮定で考えてみたが、しかし、実際の所、“ライブ会場の空気”はかなりの影響力がある。その場でないと買わないものを沢山買う。ライブ関連グッズは冷静にみれば大抵非常に高価だ。所謂お祭り価格である。しかし人々はその高揚感を求めて会場に来るのだからそれでいいのだ。そこで限定シングルが売っていたら、そりゃあ手を出すですよ。

今の子は昔の人たちがこぞってCDシングルを購入していたのが信じられないみたいだが、あの頃(90年代後半)はいわば日本列島全域が「ライブ会場の中」にあるみたいな雰囲気だったのだ。ひとたびCDショップに足を踏み入れれば夥しいほどの新曲の数々。あれも欲しいこれもいいかもという中で「今週はこれ」という感じでレジに足を運んだ。なんでそんなもの買ってたんだと外野は思うかもしれないが、ライブ会場の雰囲気を味わった事のある人なら「あんな雰囲気」といえばそれが伝わるのではないか。

逆からいえば、CDシングルを売りたかったらまたああいった空気をCDショップに、街中に作らなければいけない。もうそんな時代ではないと言い切っておけば楽なんだけど、宇多田ヒカルがどう出るか。そういった戦略面でも要注目である…と思うんだが如何。